303/866
秋のウィンク
キャラメルの香り
黄色いスペードのじゅうたん
君が来るまで深呼吸
胸いっぱい
澄みきった空
流れる薄雲
葉の揺れる音
ずっと聞いていたかった
無償の愛などあげられないけれど
せつない秋の落とし物あげる
君がいつかこぼすであろう
時の涙ひとつ
キャラメルの香り
風にのせて君の部屋まで
来れなくなったと耳元
優しい声
どんな嘘でも
いとしく思える
出会えた奇跡
抱きしめていたかった
永遠の愛などあげられないけれど
冷たい秋のウィンクをあげる
君がいつか漏らすであろう
時のため息ひとつ




