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ようこそWhite Barへ
カクテルはいかが
見まわりに来るウェイター
紫のシネラリア
白い部屋を彩ってる
カーテンが開いて
運ばれてくるディナー
夜の街を見下ろし
肘をつく傷心飛行
向かいの人によい知らせ
明日帰れるようだ
忘れていた手首の痛み
思い出して目をそらす
やがて新しい顔ぶれ
私だけは同じ席
カクテルをそっと
差し出してくるウェイター
廊下の掲示板
見覚えのあるサンタの絵
カーテンが開いて
友人が入ってきた
オレンジの香りを
ほのかに漂わせながら
当分来れないと言った
いいさ 心配するな
忘れていた手首の痛み
思い出して目をそらす
寂しくなるとは言えずに
後ろ姿見送った
カクテルはいかが
見まわりに来るウェイター
窓から見える桜
また咲き始めたようだ




