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小人になって
焼けるコンクリートが
まっすぐ続いている道
ボトルの水をこぼしても
すぐに乾いてしまう道
生ぬるい風が吹き
緑の稲が揺れている
脇には投げられたジョーロ
あれは水色の洞窟
小人になって迷い込みたい
確か昔も同じことに
ときめいた気がした
猫じゃらしの林を
抜ければそびえるスコップ
その陰に蟻の行列
背中に乗せてくれるかな
小人になって探検したい
大きくては見えないものが
あふれてる気がして
小人になってめぐりあいたい
どんなに小さなものだって
生きられるといいな




