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紅い砂漠
夕映えか朝焼けか
どちらでもない空なのか
腕時計は砂にまみれ
針はあの日に止まったまま
乾いた風に打たれ
倒れてもまた歩きだす
振り返れば紅い砂漠
足跡だけが懐かしい
行く先には何もない
永遠に今をゆく
誰もいない優しさを
どこまでも引きつれて
陽が翳った後の空
星が瞬きやがて
ひとり燃え尽きてしまう
どうして生まれたの
いとしいあの人の名
今はもう思い出せない
汚れた杖とゴーグルと
遠くをキャラバンがゆくだけ
夕映えか朝焼けか
どちらでもない空なのか
振り返れば紅い砂漠
足跡だけが懐かしい




