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SANCTUARY
綿菓子にはほど遠い
土にまみれた羊たち
馬にまたがる君が
夏の陽射しにとけていた
前をゆく君の髪と
戯れていた山の風
転げそうになっても
振り返って笑っていた
心配するなと言った
君の瞳が離れない
あのとき言えなかった
言葉のすべて届けたい
汚れた車とばして
迎えに行けばよかった
草の風香るたび
よみがえるあの夏の日々
どうにかなるさと言った
君の瞳が離れない
あのとき言いたかった
思いは今も変わらない
ずっと一緒だと言って
君の瞳に答えたい
背中に手をまわして
強く抱きしめ返したい




