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夢の後はひとり
春から夏になる頃は
夜風を感じていたくなる
騒いだ部屋は置き去り
夢は覚めてから輝きだす
星たちは雲に覆われ
ただひとつわかるおぼろ月
さっき見終わった映画
余命3か月の主人公
考えたくはないことばかり
浮かんできてしまいそう
夢の後はひとり
本当の私になれるとき
ドアの開く音が聞こえて
君が隣で肘をついた
遠い猫のシルエット
秘密のことみたいに教える
次第に青くなる空と
浮かび上がる向かいのビル
どこからか白い朝もや
街を起こして消えてしまった
話す気なんてないことばかり
口に出してしまいそう
夢の後はふたり
本当の愛に気づくとき
夢の後はひとり
本当の私になれるとき




