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オムレット
君がここを離れるつもりなら
私にできることといえば
元気でねって見送ることと
行かないでって引き止めること
本当は行ってほしくない
だけど口に出したら
もっと遠くなる気がした
大好きなオムレットを
君と公園で半分こした
ここにいる誰もが見捨てても
私はずっと待っているから
君はいつもみんなを寄せつけず
ひとりが好きなふりをしてた
優しい言葉を毛嫌いして
恐れる瞳を求めていた
本当は何がほしいのか
なぜか会ったときから
たぶんわかってた気がする
桃色に染まる街を
君と並んで駅まで歩いた
どうせ行くあてなんてないのに
最後まで強がっているのね
大好きなオムレットを
君と公園で半分こした
今日の二人を忘れないで
私はずっと待っているから




