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Stormy Night
嵐が来ると聞いていたのに
君と会う約束をしてしまった
気づいて電話をかけたけれど
待っていると言われてしまった
雲は川のように流れ
風は窓をたたいている
みんな飛ばされそうな夕方
私も飛ばされるかしら
嵐が来ると知っていたのに
君は私に会いたいと言わせた
今までずっとひとりぼっちで
しかたなく君のそばにいた
雨は滝のように降って
すべてに水の音がする
キッチンにありえない速度で
まわる観覧車が見えた
インクは薄れていくけれど
皺はもとには戻らない
そんなふうに恋をなくしても
君といた私は消えないの
テレビに映る街を見て
やめてよかったと思った
みんな飛ばされそうな真夜中
私も飛ばされるかしら




