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La poesia  作者: roman
101~200 優しい歌に出会った頃
155/866

旅人

あの旅人が消えても

誰も悲しみはしない

あの旅人の命は

世のためになりはしない


砂漠の風に吹かれながら

人知れずさまよう人たち


ひとりでもいいから名前を知って

ひとりでもいいから目を見つめて

ここに生きていること

わかるはずだから


あの旅人の姿を

みんな忘れようとする

あの旅人の心は

からっぽに違いないと


氷の雨に打たれながら

人知れずさまよう人たち


ひとりでもいいから言葉交わして

ひとりでもいいから手を握って

ともに生きていること

わかるはずだから


ひとりでもいいから名前を知って

ひとりでもいいから思い出して

ともに生きていたこと

わかるはずだから

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