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ORANGE ROAD
真夜中のパーキングエリア
目覚めのコーヒーを買いに
君は車を降りていった
長距離トラックの海を
まるで魚が泳ぐみたいに
降りてこいと手招きする
君の後ろは黒い森
自販機の向こうの山並みは
昔どこかで見た景色
風の中 木切れ拾う場面
なびく髪とパーカーの裾
押さえて駆けてゆけば
はにかむような笑顔見せて
両手広げて待っててくれる
君とどこまで行けるだろう
みんな近道をするために
大事なものをなくしていく
もっとまわり道を探したい
後ろを走るドライバーに
手を振っていた頃のように
闇の中をまっすぐ見つめ
いつだって飛ばさない
横目で一瞬確かめて
眠ってもいいと言ってくれる
君とどこまで行けるだろう
オレンジのライト滑る道
降りはじめた銀の雨
フロントグラスは小宇宙
寒くないかとさりげなく聞く
君とどこまで行けるだろう




