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風の子、雪の子
銀色の空の下
ゴールをきめた少年が
赤い頬して笑っている
真冬のグラウンドは
歓声の渦の中
姿の見えない風の子が
全速力で駆け抜けた
みんながうらやましくなって
みんなに気づいてほしくって
鉛色の空の下
響き渡る笛の音
そしてゲームが始まった
真冬のグラウンドは
はりつめた空気の中
姿の見えない風の子が
全速力で駆け抜けた
みんなの邪魔がしたくって
みんなに気づいてほしくって
姿の見えない風の子が
雪の子ひとりつれてきた
みんなの笑顔が恋しくて
みんなにごめんね言いたくて