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至福

作者: きしもと

白い棚の上に設置してあるサウンドバーはその本体を振動させる。

振動は部屋全体に広がりこの部屋独自の雰囲気を醸し出していると言える。

私はサウンドバーに接続されたスマホの画面でイコライザーを触ってみる。

勿論、この折れ線グラフにどんな意味があってどこを触ればイカした音になるかなんて全くわからない。

感覚だ、目を閉じた時に鼓膜、肌で感じる感覚でしかない。

ただ、この感覚を感じる時間こそが至福である。


生活の一部、趣味の中のひと時にこそこの至福を感じるのだ。

変な話かもしれないが至福を感じている瞬間の自分に更に至福を感じたりもする。


朝6時35分、冬の日の出は少し遅く今は丁度この時間に外が明るくなってくる。

日が上り始め完全に登り切るまでの間のこの時間の雰囲気が何よりも好きだ。

角度や色だけで言えば夕方にも感じるかもしれないが朝の寒暖差があるこの瞬間にしかない雰囲気がやはり存在する。


サウンドバーとの接続を切り、今度はBluetoothにも対応したヘッドホンにあえてケーブルを挿す。

有線ならではのクリアな音質を体感しながら横開きのドアを開けベランダに出た。


これ以上ないほどの幸せを感じる。

音楽に、雰囲気に、透き通った空気に、大陽光に、その全てに。


果たして何が私をこんなにも幸せにしてくれるのだろう。

美味しいものを食べても、二度寝しても、好きな人と過ごしても感じられない。

この瞬間だけの私の中の脳内伝達物質の割合、それが私にとっての至福。


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