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第三話 あれは今から…

「異世界転生者なんてそんなにバンバン来るもんなのか!?やっとあのクソ野郎から離れられたと思ったのによ…。」


 シェノルの発言からするに「一人目」の転生者に会ったことがあるようだが、ここまで嫌われているのはなぜだ?何したんだその「クソ野郎」というやつは。シェノルによっぽどひどいことでもしやがったのか?シェノルは「異世界転生者」が嫌いなのか?それとも「あのクソ野郎」が嫌いなだけなのか?そんな事を色々考えているとシェノルが話し始めた。


「……って言っても、お前がアイツと同じ奴なのかもまだわからないもんな。ごめんな、いきなり。怖かった、よな、アタシ……。」


 どうやら落ち着きを取り戻してきたようだった。辛そうに笑顔を作っている。(くそ程どうでもいいが俺は強気な女性のこういう表情に弱い。)


「大丈夫。確かにちょっと怖いと思ったけど、そもそも森で俺を助けてくれたのはシェノルだ。君が優しいことはわかってる。君が苦手な人と俺の出身地?が一緒だったのは、なんか、ごめん。」


 ちょっとクサイ事言っちゃったかな。でもこれが本心だからなー。


「いや、ロウタが謝る必要ないんだ。あのクソ野郎のことになるとどうしても……。アタシの悪いところだ。治さないといけないんだがな……。」


「あのさ、シェノル。」

「なんだ?」


 この事を聞くかは迷ったが、今後のためにも今聞いておこう。


「せっかく落ち着いてきたのにこんな事聞くのは本当に申し訳ないんだけど、その……、『クソ野郎』って言うやつに何されたんだ?辛かったら答えなくて大丈夫だから。」

「……。」


 さっきとは違う緊張感が漂う。が、それはシェノルによってすぐ振り払われた。


「いや言える。さっきは急だったから取り乱したんだ。だから色んなことを一気に思い出しちまったんだ。今は整理もついて落ち着いたから大丈夫だぜ。それにいつかは話すことになるとは思っていたからな。」


 どうやらお互い同じことを思っていたらしい。


「そうだな……、あれは今から2、3年前。私がまだ王国の騎士団で団長をやっていた頃の話だ。」





 ……えっ?


 騎士団とか団長とか聞き慣れない単語が久々に出てきて一瞬思考が止まる。


「待って、騎士団長!?しかも王国の!?」

「え?ああ。今でこそこんななりだがな。」


 驚く俺とは正反対に、シェノルは照れくさそうにしている。でも確かにな、とも思う。彼女の正義感の強さはそこから来ていたのかもしれない。ちょっと怖いところとかも。


「ウロナ、本題に戻るが大丈夫か?」


 女騎士団長とかヒロインの一人になりそうなのになんで「クソ野郎」はこんなに嫌われたんだろう、とか失礼なこと考えてたらシェノルに考え事をしてるのがバレたらしく確認を受ける。


「うん。続けて。」


 そう返すと、シェノルは次々と話し出した。

 

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