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《6周年ですよ! &120万PV大感謝! ありがとうございます!》 ギャルゲー転生 ヒロインたちを攻略しようとしたら俺が攻略対象でした!?  作者: mask
かぐやルート編

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かぐやルート14

 先生が居なかったので俺は保健室のベットに横たわる。

「大丈夫? 苦しくない?」

 さくらちゃんがハンカチで俺の汗を拭ってくれる。

 目端には涙。

 本気で俺のことを心配してくれている。

「私の……私のせいで……!」

「私はさくらちゃんの瞳を見てないよ。さくらちゃんは悪くない」

「じゃあどうして……?」

 さくらちゃんの言葉に俺はチラリと目線を移す。

 さくらちゃんの後ろに立っているのは天。

 笑みはないが、俺を見下ろす瞳が嗜虐的なのは気のせいか?

「ちょっと胸が痛くなっただけだから。泣かないで?」

 俺は手を伸ばしてさくらちゃんの髪を梳く。

「少し休んだら帰るから。さくらちゃんは先に帰ってて」

「やだ。りっちゃんと一緒に居る」

 駄々をこねるさくらちゃん。

 心配してくれるのは嬉しいが、今は一刻も早く、さくらちゃんを天から離したい。

 でもさくらちゃん頑固だからな~。

 誰か信用出来る人に。

 ………………そうだ!

「麻衣のところに行って呼んできて。部活中だと思うけど訳を話して。それで三人で帰ろうよ」

「……どうして?」

 しゃくりをあげるさくらちゃんが小首を傾げる。

「私はいつ動けるか分からないし、でも麻衣にも手伝ってもらえれば何とか帰れると思うから、ね?」

 俺が説得すると、さくらちゃんは頷いて保健室を出ていく。

「私はもう大丈夫そうですね。相島先輩、それでは」

「天」

 ひらひらと手を振って立ち去ろうとする天を呼び止める。

 さくらちゃんの後を追われたら堪ったもんじゃない。

 それに問い詰めないと。

「何です?」

「私に何したの?」

 俺は上体を起こして睨むように天に問う。

 天の瞳を見た瞬間にこうなったのだ。

 犯人は天しか居ない。

「私は……落とし物を拾って、先輩に渡して、倒れた先輩を介抱しただけですよ」

 クスリと天は少女らしく微笑む。

 だがやはり、その瞳は慈しみではなく、嗜虐に満ちている。

「隠さなくて良いよ。その瞳、でしょ?」

「……へえ~。ふふっ」

 一瞬目を丸くしたが、天は再び微笑む。

「なあんだ。先輩は知ってるんですね、瞳の奇妙な力。しらばっくれようと思いましたけど。その目、確信してますね? もしかして先輩も持ってるんですか?」

「持ってるとしたら?」

 俺は嘲笑ってやる。

 わざとはぐらかした。

 はっきり答えてしまうと、天にマウントを取られるかもしれなかったからだ。

「ふーん。あ~あ、めんどくさい人を狙っちゃったな~」

 大袈裟に天は溜め息を吐く。

「まさか私以外にも能力を知っている人が近くに居たなんて。しかもそれを当てちゃったし」

 参った、参った、と手で目を覆う。

 そしてニヤリと笑みが弧を描く。

「だけど能力を知っているのにこうしてやられてるってことは、先輩は能力がない、もしくは私に対抗出来ない能力ってことですよね」

「!?」

 指の隙間から三本爪のマーク。

「じゃあ別に良いか。大した障害にならなそうだし」

 先程のように激しい胸の痛み。

 俺は歯を食い縛り堪える。

「ダメですよ、目を逸らしちゃ。ほら、私の目を見てください」

 頤に手を当てられて顔を無理矢理上げられる。

 まさかこんなところで女子の憧れである"顎クイ"をされるとは思わなかった。

 三本爪の両目が俺の奥を見透かしているようだ。

 見ちゃダメだと分かっているのに天の瞳に惹かれてしまう。

「ふふっ、これで先輩も私のものーー」

「姐さん!?」

 俺のピンチを救ったのは保健室に飛び込んできた金剛だった。

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