かぐやルート6
さくらちゃんの委員会の集まりも終わり、俺たちは学校から少し離れた駅前のゲーセンに来ていた。
帰り道とは反対だが、たまにはこうして青春を謳歌するのも良いだろう。
「矢沢さん、私あれやってみたい!」
「お? バスケのやつ?」
「うん!」
「神崎さんってバスケ得意なの?」
「得意じゃないけど、前に上手い人が居たの! でも、一人じゃ手が出なくて」
「ああ、確かに。男がやりそうだもんね。良いよ。なんなら勝負しようよ!」
「分かった!」
さくらちゃんと矢沢さんは一緒に遊び始める。
「兵藤さんは何したい……あれ?」
隣に居たはずの兵藤さんが消えていた。
おかしいなと思い、辺りを見渡したら音ゲーの媒体で遊んでいた。
声をかけようと思ったのだが、
ヘッドホン装着してるし、手の動きが速すぎて何してるか分からん。
これは相当やりこんでんな。
邪魔にならないようにそっとしておこう。
さて、俺は何をしようか。
ガンシューティングが好きなのだが、今の時代、音ゲーの媒体に淘汰されて貴重になってしまっている。
ここにあると良いが。
「お! あった、あった!」
よくある特殊部隊が主人公のやつみたいだが、そういうベタな方が分かりやすくて格好良い。
でも、先客が居たのですぐには出来ない。
今のうちに両替しておくか……ん?
キャスケット帽からチラリと見えた幼い横顔。
それに現実ではめったにお目にかかれない鮮やかな紅葉色の髪。
間違いない。
『さつかそ』の四人目のヒロインが目の前に居た。
だけど違和感がある。
ライフルを構える眼光が鋭いからだろうか?
もっとこう犬系彼女みたいな可愛い感じの子だった気がしたのだが。
「ジロジロ見ないでください」
「あ、ごめん」
睨まれてしまった。
メチャクチャ怖いな。
これ以上、気分を悪くされないようにここは退散しておこう。
そのまま両替機に向かい、お札を百円玉に替えていく。
そして戻ってきたときには、さっきの子は居なくなっていた。
周りを見渡しても見つからなかったので帰ったのかもしれない。
ではさっそく俺もゲームをーー
「りっちゃん!」
「おっとっと」
背中にむにん! と柔らかい感触。
「負けちゃったよ~」
「さくらちゃん、急に抱きつかれるとびっくりするから」
「ふふふ。慰めて~」
今日は完全に甘えたモードのさくらちゃん。
俺はよしよしと頭を撫でてあげる。
「りっちゃん、りっちゃん! あっちでプリとろ!」
ああ、プリ○ラ。おおっと、この名前はダメだった。
プリントシールなんてまさにJKだなぁ。
俺はガンシューティングを諦め、さくらちゃんに手を引かれてプリを撮りに行った。




