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《6周年ですよ! &120万PV大感謝! ありがとうございます!》 ギャルゲー転生 ヒロインたちを攻略しようとしたら俺が攻略対象でした!?  作者: mask
外伝ルート 私たちの冬休み

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外伝ルート 決戦の地は朱乃宮! 幕間5

 戦場の中央で暴れる、がしゃどくろを見据える。

「薫、次」

「はい」

 妹の薫から受け取ったのは漁船で大型の魚を仕留めるときに使う銛。

 紫織の背丈に合わせて本来より短くされた銛を右肩に構える。

 掲げた左足を前に出し、足から背中、背中から右腕に力を奔らせる。

 そして投擲。

 放たれた銛は見事にがしゃどくろの頭に突き刺さる。

「もう一本! えいっ!」

 三本目の銛が兵士たちの頭上を飛ぶ。

 がしゃどくろの伽藍堂の右目を貫く。

 頭に三本の銛が突き刺さったがしゃどくろは大きくぐらつき、地面に沈む。

「お見事です、姉様」

 隣で控える薫が微笑む。

「『狙撃の瞳』があるんですもの。必中に決まってるじゃない。でも、ありがとう」

 紫織は微笑み返す。

 そして次の銛を受け取る。

「流石に重いわね。弓や杭のようにはいかない。あそこがギリギリの距離ね」

 普段使い慣れない得物に苦笑した紫織は投光器に照らされた戦場を見渡す。

 平地より少しだけ高い位置に陣取った紫織からは戦況が把握出来た。

「伝令。右翼と左翼をあげなさい。中央には予備の投入を。そのまま包囲しなさい」

 紫織の指示でそれぞれを担当する伝令が走る。

「姉様。右前方。鬼のようです」

 薫の言葉に紫織は目を向ける。

 古い伝承通りの筋骨隆々の鬼が金棒を振り回している。

 鬼は力のある妖怪の一種。

 ただの人間の兵では戦うのすら厳しいだろう。

 紫織は『狙撃の瞳』を発動。

「はあああっ!」

 銛を投擲。

 数瞬後、大柄の鬼の胸を貫く。

 倒れた鬼の周りで沸き起こった歓声が紫織に届く。

「うわあああっ!?」

 近くで悲鳴。

 声の方を向くと空から白くて長い布が降りて来て兵士に襲い掛かっていた。

「こんの!」

 薫から銛を受け取ってすかさず投擲。

 白い布は銛に巻き込まれて吹き飛ぶ。

「投光器を投入したのは良いですが、空や近場が疎かになりますね」

 灯台下暗し。

 兵士たちのために戦場を明るくしたは良いが、それ以外の視界が悪くなる。

 これも人間の弱点。

 だけど人間は不利な中でも戦わなくてはいけない。

「……取り敢えずはこんなものね。これ以上は肩を痛める」

 用意していた特注の銛は全て投げ切り、紫織は腰に手を置く。

「明日には筋肉痛ね、これ」

 軽く痛み出した肩を紛らわせるために苦笑する。

「ふふっ」

 薫が口に手を当てて笑ったので、紫織は目を丸くする。

「薫?」

「明日のことを語ることは良いことです」

「……そうね」

 天から自分が今日、何度も死んでいると伝えられた。

 そのことにショックを受けていた紫織。

 思わず好きな年下の女の子を抱き締めてしまうほどに。

 だというのに呑気に明日訪れるであろう筋肉痛の話をするなんて。

 そのことを気付かされて紫織も笑う。

「肩を冷やしましょう。氷嚢をください」

 薫は近くの兵士から氷嚢を受け取ると、甲冑の胴と袖を外して紫織の肩を冷やす。

「大袈裟よ、薫。まだ戦いの最中なのに鎧を外すなんて」

「明日のことを考えるならやっておいた方が良いですよ。姉様は普段から右肩を酷使してるんですから」

 薫のお節介。

 紫織は嬉しくて微笑む。

 あの夏の日、失うかもしれなかった半身。

 それを取り戻してくれたのはーー

「相島のために頑張りましょう」

「はい、姉様」

「紫織様っ!」

 兵士が紫織の前で跪く。

「報告を」

「はい! 百足童子が戦場に現れました!」

「姉様」

「ええ」

 紫織は空気を大きく吸い、腹に力を込める。

「この守羽 紫織が出る! 巫女は全員ついて来なさい!」

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