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ギャルゲーの世界に転生した俺(♀)、少女たちと最高の未来を目指します! 1話1,000文字ちょっとでサクッと1,000話越え! 《7周年ですよ! &130万PV大感謝!》  作者: mask
かぐやルート編

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かぐやルート2

「呼び捨てとは失礼ね!」

 かぐやは不機嫌そうに鼻を鳴らす。

「いや、そっちも呼び捨てだったと思うけど……」

「私は良いのよ。だって私は八重橋重工の社長の娘だもの! あなたとは格が違うわ!」

 うわーとさっそく俺は辟易する。

 確かにこういうキャラだったわ、と思い出す。

 八重橋重工は『さつかそ』に出てくる有名な会社だ。

 船舶や航空機、鉄道車両、スペースシャトル、そして国防兵器まで作っている。

 国内のみならず世界にも事業を拡大しているトップ企業。

 そこの娘ということはいわゆるお嬢様。

 どっかの偉い人の令嬢がヒロイン。

 ギャルゲーあるあるである。

「それで何の用?」

 溜め息混じりに返す。

 かぐやも『さつかそ』のヒロインであるが、残念ながら好みではなかった。

 攻略もしたけど、さくらちゃんのルートを先にやってしまった俺にはかぐやのルートはいまいちだったのだ。

 だけど決して人気がないわけではない。

 シナリオも良かった。

 中の人(声優さん)の演技も素晴らしかった。

 見目も凄く可愛い。

 ただ、俺はあまり"ツンデレ"に萌えなかったのである。

 ツンデレよりはクーデレとかヤンデレの方が好きなのだ。

 ていうか現実にツンデレ女子居たらウザいと思う。

「そうだったわ! 大事なのは本題よ、本題!」

 用事を思い出して、かぐやは声を上げる。

「あなた中間テスト手を抜いたでしょ!」

「………………は?」

 唐突なことに意味が分からなかった。

「ごめん。どういうこと?」

「中間よ! いつも学年一位のあなたの名前が貼り出されてなかったじゃない!」

「ああ!」

 やっと意味が分かった。

 先々週ぐらいに受けた中間テストの順位が今日の朝、廊下の壁に貼り出されていたのだ。

 全員ではなく、学年の十位までなので俺の名前はなかったが。

 そのことに先生も含めてクラス中で騒ぎになった。

 何故かというと相島 立花はいわゆる"天才"という奴だったらしく、高校一年生のときの定期テストは不動の一位を取っていたとか。

 だというのに今回は大幅に順位を下げ、そして俺は記憶喪失になっているということもあっていろんな意味で頭を心配された。

 先週なんか全教科の先生に呼び出しを受けたぐらいだ。

「何で手を抜いたのよ?」

「いや、抜いてないから」

「じゃあ今回、何位だったのよ?」

「三十位だけど」

「手抜きじゃない!」

 なんだと、こいつ?

 三クラスで計百二十人居る中での三十位だぞ?

 結構良い方だと思うんだが……!

「じゃあそっちは何位なの?」

「一位よ! 万年二位だったけど、あなたのせいでね!?」

 うわ、マジなんなのコイツ。

 自慢してるの?

 俺のせいでってどういうことだよ。

 ていうか、メッチャ頭良いじゃん!

「良かったね。おめでとう」

「……ありがとう」

 ここは素直なのな。

「じゃなくて! どうして手抜きしたか訊いてるの!」

「だからしてないって!? しつこい!」

「………………ごめん」

 だから素直になんないで!

 あまり言いたくないけど伝えるか。

「私、記憶喪失になったの。だから手抜きしたとか言われても分からないよ。今年の五月までの記憶がないから」

「え……」

 かぐやが硬直する。

「? どうしたの?」

 俺はそんな彼女に困惑を隠せない。

「記憶喪失って。じゃあ、あのときの約束も忘れちゃったの……?」

 かぐやが声を震わせる。

「あのときのってーー」

 昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。

 俺は意識がそちらにいってしまい、気付いたときにはすでにかぐやの姿はなかった。

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