表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
《6周年ですよ! &120万PV大感謝! ありがとうございます!》 ギャルゲー転生 ヒロインたちを攻略しようとしたら俺が攻略対象でした!?  作者: mask
外伝ルート 私たちの冬休み

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

788/1057

外伝ルート 決戦の地は朱乃宮!

 拝啓、父さん母さん。

 私の誕生日にプレゼントをありがとうございます。

 そのままクリスマスも一緒に過ごしたかったのですがーー

「はあ。まさかまたここに来るとは」

 相変わらず寂れた駅。

 そして何もないロータリー。

 当たり前だがクリスマスツリーもイルミネーションもない。

 とてもではないがクリスマスを過ごせるような場所ではない。

「寒いね〜」

 隣で震えるのはコート姿の、さくらちゃん。

「ここまでで良いわ。ありがとう」

 専属の運転手さんに別れを告げる、かぐや。

「さっむ! 雪でも降りそ〜」

 空を見上げる、天。

「せっかくの冬休みなのに」

 溜め息を吐いて座り込む、麻衣。

 計五人の美少女(もちろん私を含めた)がクリスマスに居て良い場所ではない。

「りっちゃん〜。寒いからぎゅーして〜」

「はいはい。ぎゅー」

 恋人のさくらちゃんと暖をとる。

「着いたは良いけど」

 かぐやがスマホを見る。

 私も自分のスマホを見る。

 時刻はもうすぐ午後の五時。

 私たちの世界はすでに薄暗く、あと十数分で夜が訪れるだろう。

 振り返る。

 唯一の光源として駅の蛍光灯があるが、チカチカ点滅してるから怪しいものだ。

 もしあれが無くなったら真っ暗になってしまう。

「まったく急過ぎるのよ。クリスマスだっていうのに、こんなド田舎に呼び出して」

 愚痴る、かぐや。

 だけどそれは私たちの心の代弁だ。

 突然、此方先輩からの呼び出し。

 昨日のお誕生日会で会ったばかりだというのに、翌日にはここに来いだなんて。

「あー。太陽沈んじゃいましたね」

 天の言う通り、夕日は山に隠されて見えなくなる。

 それはつまりーー闇の訪れ。

「りっちゃん?」

 私は、さくらちゃんを抱き締める力を強くする。

「皆、もう少し駅に近付こう」

「……そうね」

 かぐやも何かを感じたのかもしれない。

 荷物を持って駅へ。

「行くよ」

「え? ちょっ」

 天も麻衣に手を引かれる。

 私も、さくらちゃんを胸に後退る。

 駅の明かりのおかげで私たちの周りは明るい。

 だけど、そのせいで駅の外は何も見えない。

 それがとても恐ろしい。

「どうする? 今ならまだ迎えを呼べるわよ?」

 かぐやの提案。

 だけど私は暗闇を見ることに必死だった。

 その緊張が伝わったってしまったのか、さくらちゃんの身体も強張る。

「もう。皆さんどうしたんですか? 顔が怖いですよ?」

 一人だけ困惑する天。

 天は知らないのだ。

 この辺りにはーー

「何か居る」

 かぐやの呟き。

 暗闇に赤い火の玉。

 それに赤い瞳。

 バサリという音と共に顔に風が掛かる。

「うらめしや〜」

 この辺りには妖怪が存在することを。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ