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《6周年ですよ! &120万PV大感謝! ありがとうございます!》 ギャルゲー転生 ヒロインたちを攻略しようとしたら俺が攻略対象でした!?  作者: mask
外伝ルート 私たちの冬休み

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外伝ルート 私たちの冬休み 幕間2

「ふう」

 天はトイレから出る。

「この家、古い平屋建てなのに、トイレとかお風呂は最新なんだよね〜。まあ、和式じゃなくて良かったけど」

「天」

 声に天は顔を向ける。

「どうしたの、麻衣さん?」

「ちょっとこっち」

 麻衣に手招きされて天は廊下を曲がる。

 立花たちが居る居間からは離れた場所。

 麻衣が立ち止まったので、天も足を止める。

「天、気を付けなよ?」

「え? 何かミスった?」

「トイレ」

「……トイレ?」

 復唱する天だったが、意味が分からず小首を傾げる。

 それに対して麻衣は深い溜め息。

「彼方先輩がトイレの場所を教えてくれようとしたとき、断ったでしょ?」

「え、あ、うん。知ってるし」

「この世界の天は、この家に来たことがないんだよ。彼方先輩が不思議そうにしてたよ?」

「うーん? ………………ああ〜」

 天はやっと麻衣の言葉を理解する。

「マズったな〜。じゃあインターホンもおかしいか。前の記憶もあるから難しい〜」 

 天には二つの記憶がある。

 秋山 優子が自殺して秋山 幸がジングウになって通り魔事件を起こした世界。

 もうひとつは秋山姉妹を救って、天自身もゲンムに救われた世界。

 そしてこの世界は後者であり、天が船渡姉妹の家でお世話になったのは前者の世界だ。

「ごめん。これから気を付ける」

「うん。気を付けて。じゃあ居間に戻ろっか」

「あ、待って」

 戻ろうとする麻衣の手が掴まれる。

「ねえ、今はどっち?」

 期待に跳ねる天の心臓。

「……ゲンムの方だよ」

 顔だけ振り返った“ゲンム”が微笑む。

「麻衣ちゃんは? やっぱり危ないの?」

「うん。だから今は私が代わってる。彼女には休息が必要だから」

「そっか」

 天はそれだけ。

 俯いてしまう。

「天? どうしたの?」

「あ、いや」

「キスでもしたくなっちゃった?」

「!?」

 図星を刺されて天は目を丸くする。

「ふふっ。可愛いね、天」

 今度はゲンムが天の腕を掴む。

「最近してなかったもんね。ほら、目を閉じて」

「んっ♡」

 ゲンムに素直に従い、唇を重ねる。

「本当に天は悪い子だ。神に恋するなんて後悔するよ?」

「後悔しても良いって前に言ったじゃん」

 互いに微笑む。

「ずっとゲンムのそばに居たい。たとえゲンムの願いが悪いことで、先輩と敵になってしまっても。私はゲンムが好き。だから私を愛して、私だけの神様」

 今度は天からの口付け。

 ゲンムは天の腰を両腕で包み込んで引き寄せる。

「ん?」

「ゲンム?」

「いや、何でもないよ」

「んっ♡」

 二人は数分に渡って愛を確かめた。

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