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《6周年ですよ! &120万PV大感謝! ありがとうございます!》 ギャルゲー転生 ヒロインたちを攻略しようとしたら俺が攻略対象でした!?  作者: mask
ジングウルート編

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ジングウルート61

「ダメっ! 絶対にダメっ!?」

 神崎 さくらの悲痛の叫び。

「こんなののために、りっちゃんが『瞳の能力』を使う必要なんてない! こんな奴、今すぐ殺しちゃえば良いんだ!」

「こーら」

「あうっ!?」

 またデコピンされて神崎 さくらが額を押さえる。

「……まあ、さくらちゃんの言う通りではあるけどね」

 先輩の苦笑。

「私の『選択の瞳』も限界が近付いてきてる。まだ大丈夫らしいけど、余裕があるわけじゃない。でもね、秋山さん。私はあなたを助けたいんだ」

 大丈夫らしい?

 まるで誰かに確認したみたい。

「助ける? はっ! どうやって? 弁護士にでもなって裁判で無実にでもしてくれるの? 連続殺人犯を?」

「その必要はないよ。だってーー」

 先輩はにっこり。

「誰も死なない世界にするから」

「……は?」

 そこに居た皆が困惑する。

 先輩は、何を言ってるの?

「うーん。でも私、こんな身体だしな〜。チラリ」

「…………」

 なんで先輩はそんなに私をチラチラ見て来るの?

「誰か当時のことを知ってる人居ないかな〜。あのときだと、一緒の学校は私と〜、さくらちゃんと〜」

 そしてまた私をチラリ。

「……いやいや! 無理ですって! 私は過去に戻る能力なんてないんですよ?」

「出来ると思うよ。だって秋山さんは私から『選択の瞳』を奪おうとしたんでしょ? それに無限さん。あなたも他人に『瞳の能力』をあげる方法を知ってますよね?」

「……ああ。前にやってみせたな」

 雰囲気が変わる。

 今は神様だ。

「簡単だ。口付けをすれば良い。そうすれば『瞳の能力』を与えられる」

「与えるだけ?」

「ああそうだ。奪うことは出来ない」

「……は?」

 秋山 幸が立ち上がる。

「そんなはずはない。『瞳の能力』は奪えるって」

「誰から聞いた?」

「誰って。ゲンムに」

 呆ける秋山 幸。

 無限さんは嘲笑う。

「他人を欺く神を信じたのか? お前は本当に愚かだな」

「嘘。嘘よ!?」

「自惚れるなよ? 『瞳の能力』は元来、我ら神の物だ。人間風情が奪おうなどと思いあがるではない」

「……くっそ」

「まあまあ。無限さんもそこまで」

 パンパンと手を打つ。

「天、こっちに来て。一部だけど『選択の瞳』をあげる」

「……ん? え〜と、つまり〜」

「却下」

 ですよね〜。

「さくらちゃん、お願ーい♡」

 ぶりっ子先輩。

「他の女の子とキスなんて絶対にダメ」

 ムスッとする神崎 さくら。

「さ、く、ら、ちゃーん♡」

「だ、め、で、す」

 なんだこのバカップルは←おい!

「…………へ?」

 うわああああああ!

 この人数の中でキスしたよ、このバカップルは!?

「はあ。本当にバカップルね」

 そして八重橋先輩は口に出しちゃったよ!

「さくらちゃん、ダメ?」

「……こ、今回だけだよ? 今回だけ浮気を許してあげる。今回だけだからね? 絶対だよ?」

 念を押してるようですけど、チョロインですね。

 前に読んだラノベのヒロインみたいだ。

「ありがとう、さくらちゃん」

 クスッと優しい笑み。

 良いな〜。

「天」

 私に手が伸ばされる。

「おいで」

 私は先輩の右手に触れる。

 先輩に抱き締められる。

「ごめんね。私がもっと強かったら良かったのに」

「……何言ってるんですか。先輩は誰よりも強いですよ」

 優しい口付け。

 右目がじんわり温かくなる。

「でも過去を変えて大丈夫なんですか? タイムパラドックスとか、パラレルワールドとか」

「ふふっ。やっぱり天は物知りだね」

 頭を撫でられる。

「誰よりもたくさん本を読んでた。天とお喋りするの楽しかったよ」

「……先輩。もしかして記憶が?」

 先輩は今年の五月より前の記憶を失っているはずなのに。

 地味で目立たないように生きていた私を知っている。

「遅くなってごめんね。天がどんな子かやっと思い出せた。だからきっと大丈夫。天ならきっと出来る。それにーー」

 先輩がにっこり笑う。

「私はなんかご都合主義に愛されてるんだよ。だから過去を変えても、私たちは仲良しになれる。絶対になれる」



 →《三年前へ戻る》

  《過去に戻ったってどうせ》


 網膜に現れた選択肢。

 これが『選択の瞳』。

 先輩の『瞳の能力』。

「もし、自分だけじゃ無理だと思ったら、三年前の私を頼って。きっと助けてくれるから」

「……はい!」

 私は選択する。

「必ず、今よりも良い未来を勝ち取ってきますから!」

 そこで私の意識は途絶えた。

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