ジングウルート51
SNSで拡散され続ける動画やコメントから目的の場所に向かう私たち。
そしてーー
「ここ、だよね?」
スマホの画面に映し出された写真と見比べる。
うん、間違いない。
ここが秋山 幸が飛び降り自殺した場所だ。
「待て」
進もうとして此方先輩に腕を掴まれる。
「二階堂。君は待っていなさい。君は戦えないんだから」
「で、でも! 何かの役にはーー」
「二階堂」
此方先輩に言葉を封じられる。
その両目には髑髏のマーク。
「君を庇いながらジングウとは戦えない。邪魔だよ」
「…………はい」
そう言われてしまったは何も言い返せなかった。
私じゃジングウを倒せない。
「姉さん、無限様。能力をお借りします」
此方先輩は彼方先輩の身体を引き寄せる。
そして軽いキス。
「一人で行くんですか、此方ちゃん?」
「私はジングウを、神の方の足止めをする。だから二階堂ーー」
右目は六芒星、左目は髑髏。
その瞳が私を見る。
「もう一人を頼むよ。守羽。二人を頼む」
「……まったく。格好つけるんじゃないわよ」
舌打ちする守羽さんに此方先輩は苦笑する。
そして廃ビルに入ってしまった。
「ほら。行くわよ」
「いたっ!?」
守羽さんに背中を叩かれる。
「すぐにしょげんじゃないわよ。あなたは相島みたいに頑張るんでしょ?」
「は、はい!」
喝を入れてもらった私は、もう一度廃ビルを見る。
高さは外からだと五階建てに見える。
ボロボロになった看板は見覚えのあるものが幾つか。
十年前は地元を賑わせた商業ビルだったのかもしれない。
だが今は窓ガラスは割れ、壁紙は剥がれ、落書きやスプレーアートが私を怯えさせる。
これが朽ちるってことなんだ。
朽ちるって、こんなに怖いことなんだ。
廃ビルを見上げる。
「うっ」
想像してしまった。
こんな場所で飛び降りた秋山 優子の姿を。
「二階堂様、急ぎましょう」
「はい」
私は守羽さんと彼方先輩に続く。
無理やり開けられた動かない自動ドアの隙間を通る。
「うっわ。やだな〜」
思わず口に出てしまう。
外の明かりがあるとはいえ、廃ビル内は薄暗かった。
「彼方様。足元お気をつけてください」
「はい。二階堂様も」
「ありがとうございます」
床は埃と泥が点々としていた。
誰が捨てたのか分からない空き缶やお菓子の袋のゴミも落ちている。
「船渡のかしら?」
守羽さんの足元を見る。
新しい足跡。
だが思ったよりたくさんある。
「船渡だけじゃないわ。他にも足跡がある。ジングウとか追われてる人のもあるかも」
「じゃあ此方先輩は足跡を追ったってことですか?」
「そうね。行きましょう。足跡を追えば辿り着くかも」
守羽さんを先頭に進んでいく。
曲がったり階段を上がったり。
足跡が途切れれば、守羽さんが周辺を見て、新しい足跡を見つけ、また追う。
そして三階に登った時だった。




