天ルート64
無事? にさくらちゃんがプレゼントしたハンカチがリビングに飾られる。
何故か誇らしげなかぐやと、顔を真っ赤にするさくらちゃん。
二人とも可愛いな〜。
「っと」
次は俺だ。
俺も用意していた小さな箱をかぐやに渡す。
かぐやはすぐに開けてくれる。
「これは……十字架のアクセサリーね」
俺のプレゼントは、アクセサリーショップで買った小指ほどの大きさの十字架。
素材はメッキとガラスの装飾。
流石に、かぐやが普段からつけている銀とダイヤの十字架には遥かに劣るが、俺は一目惚れしたのだ。
「ふふっ。私の十字架にそっくり」
かぐやも気付いてくれたようで、首から下げていた十字架を胸元から取り出す。
「まるで親子みたいね」
かぐやの十字架は掌サイズ、俺が渡した十字架より一回りも二回りも大きい。
二つ並べると、その違いがよく分かる。
「…………」
「……ど、どうかな?」
麻衣やさくらちゃんのときと違って、プレゼントを静かに見つめるかぐやに声を掛けてしまう。
「そうね。お母様からいただいた十字架に比べると小さいし、輝きが弱いかしら」
「ううっ。そ、そうだよね……」
やっぱり本物には勝てない。
「だけど、だけどね」
かぐやは俺に柔らかく微笑む。
「これはお母様からでも、お婆様からでもない。私の、大親友の立花が私を想って贈ってくれた十字架。それってとても素晴らしいと思わない?」
かぐやは十字架のネックレスに、俺があげたネックレスも金具で繋げてくれた。
そして二つの十字架をぎゅっと両手で包む。
まるで二つの十字架がハグをするように。
「ふふっ。そうね、お母様」
かぐやが顔をあげる。
かぐやの両目には十字架のマーク。
「私はとても素晴らしい友人たちに出逢えたわ。これは八重橋 かぐやの誇りよ」
クスッとかぐやが微笑む。
ヒロインの笑顔に俺はドキッとしてしまう。
純真であり、誠実。
かぐやはまさに穢れなき光だった。
「大切にするわ。麻衣さんも、さくらも、ありがとう」
かぐやは立ち上がると、まずは麻衣の隣へ。
「かぐやさん? ひゃ!?」
麻衣が声をあげる。
かぐやが麻衣の頬にキスをしたのだ。
そして次にさくらちゃんへ。
さくらちゃんも頬にキスをされて顔を真っ赤にする。
次はまさか俺か!?
「ふふっ。何を期待してるのよ」
かぐやが俺を見ておかしそうに笑う。
「立花にはしないわよ。さくらに怒られちゃう」
かぐやはそのまま席に戻ってしまう。
ちょっぴり残念。
「だけどーー」
かぐやが少しだけ首を傾げる。
「いつか、唇を貰うわね。あのときみたいに」




