表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/1176

さくらルート19

 俺は自室のベットに倒れ込む。

「つっかれたー!」

 俺は大声を出すことで悶々とした思いを吐き出す。

 さくらちゃんが可愛すぎて危なかった。

 すげえムラムラする。

 マジで男の身体じゃなくて良かった~。

 いろんなところが反応してしまっては台無しだった。

 この身体になってから一人でしてないから溜まってたのかもしれない。

 だが、この身体で発散する知識はあっても勇気が出ない。

「はあ。息子が恋しい」

「何故、あそこで押し倒さなかったのですか?」

「うおっ!?」

 俺は驚いて跳ね起きる。

 いつの間にかに俺のベットに知らない誰かが座っていた。

「あそこで肉体も結ばれていればさぞかし大きな絆が生まれていたと思うのですが」

「へ? 何言ってるの? てか、誰?」

「あなたをこの世界に連れてきた者です」

 不審人物は無表情に言う。

 RPGにでも出てきそうな黒いローブを羽織り、顔の右半分をニタリと弧を描いて嗤う白い仮面で覆った赤黒い長髪の少女。

 顔が整っているというのにその姿のせいで不気味に感じた。

 まるで死神のようだ。

「連れてきたって。もしかして神様?」

 だとしたら俺は本当に異世界転生をしたということか?

「神、ですか。あなたたち人間からしたらその名が近いかもしれません。ですが私が必要なのは信仰ではなく、あなたたちの絆という力です」

「俺たちの絆?」

 少女はコクリと頷く。

「あなたたち人間が生み出す絆。私はそれを観察するために来ているのです」

「ごめん。全く意味が分からない……」

「理解されなくても構いません。私は勝手にしますので」

「それってずっと俺に付きまとうってこと?」

「あなたはサンプルですから」

 サンプルなんて嫌な響きだな。

「絆を生み出すと何か起こるのか?」

「この世界の不幸な少女を救えます。実際にあなたは一人の少女を救おうとしているではないですか」

「この世界の? ゲームに出てくるヒロインを、か?」

「この世界が遊戯(げーむ)? 面白いことを言いますね」

 だが少女は笑わない。

 仮面だけが俺を嘲るように嗤う。

 それに俺が『さつかそ』の女の子を?

 それはつまりーー

「さくらちゃんのことか?」

「彼女もそうですが、この世界には絆を歪ませた少女たちが居るんです。あなたが身体を借りている相島 立花を含めて」

「この身体の子……そうだ! 俺は何で相島 立花になったんだ?」

 この世界に来たときの最大の疑問。

 別の男になったわけでも、新しい身体を得たわけでもない。

 本当に居る女の子になったのだ。

「彼女と契約したからですよ。私のサンプルになる代わりに絆を生み出すことの出来る他人に身体を預けるというものです」

「相島 立花が俺に身体を? どうして彼女はそんなことを?」

 見知らぬ人間に監視され、見知らぬ人間に身体を取られる契約なんて相島 立花に何の得が?

「そこまでは知りません。彼女が望み、私と利害が一致した。それだけで十分でしたので」

 とても冷めた言葉。本当に少女は俺たちを絆の実験体にしか思っていないようだ。

「あなたはこの調子で少女たちと絆を生み出してくださればそれで構いません。今度は神崎さくらと深い関係になれるように。彼女とあなたの間には溝……いいえ、彼女が隠しているので落とし穴と表現した方が良いですね。今ある絆が壊れないように注意してください。それでは」

「あっおい!」

 少女は一礼すると目の前から消え去った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ