表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 ギャルゲー転生 ヒロインたちを攻略しようとしたら俺が攻略対象でした!?1話1,000文字ちょっとでサクッと1,000話越え! あと三年は書くよ《7周年ですよ! &130万PV大感謝!》  作者: mask
彼方ルート編 続

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

318/1182

彼方ルート88

 右目の熱に俺は歯を食いしばる。

 次はどうすれば良いんだろうか?

 とりあえずスズの頬に触れる。

 お願いだ。

 効いてくれ。

 俺は強く念じる。

「おっ」

 掌が温かくなる。

 そしてゆっくりとスズを染める黒が引いている。

「おいおい」

 クロハからは小さく驚きの声。

 周りの烏天狗たちも騒めき出す。

 数分触れ続けると、スズの顔から黒は消えた。

 首まで黒は引いたみたいだ。

「こ、呼吸が安定しております」

 烏天狗の一人が言った。

 俺もスズの様子を見る。

 酷く汗をかいてはいるが、呼吸は先程と違って落ち着いている。

 少しだけだが、俺はスズを助けられたんだ。

「良かったーー」

 目の前が霞む。

 何も見えない。

 頭がふわふわする。

「相島? おい、相島ッ!」

 クロハの声を最後に世界は真っ暗になった。



 

 

「んん?」

 パッと目が覚める。

 知らない天井。

 ここは……?

「おッ! 起きたかい!」

「おわッ!?」

 俺の視界を覆ったもの。

 それはクロハの顔だった。

「お、驚かせないでよ!」

「あはは。ごめんごめん。いやー、でも良かった。突然倒れるんだもん。死んじゃったかと思ったよ」

 快活そうにクロハは笑う。

 彼女のこんな楽しそうな表情は初めて見たかもしれない。

「そうだ。スズは? スズはどうなったの?」

 俺は飛び起きてクロハに訊く。

 クロハは初めは目を丸くしていたが、ニコッと笑う。

「君は自分の心配じゃなくてスズ様の心配をしてくれるんだね」

「いや、自分の体調に異常がないことはなんとなく分かるから」

「いやいやいや。君、倒れたんだけど?」

「私は大丈夫だよ。それでスズは?」

「はいはい。少し落ち着きなさい」

 俺の両肩を押さえてクロハが宥めてくる。

「君のおかげでスズ様の容態は安定しているよ。今日、明日死んじゃうなんてことはなくなった」

「そうか〜」

 俺は胸を撫で下ろす。

 やっぱり目の前の女の子を見捨てなくて良かった。

 スズを助けられて良かった。

「呪いは解けたってことだよね!」

「あー、それはーー」

 クロハの歯切れが悪くなる。

「え、解けてないの?」

「まあ、うん。そうだね。呪いの活性化は止められたけど、呪い自体が消えたわけじゃない」

「なら、もう一度私が『祝福の瞳』を使ってみるよ。さっきだって少しだけど呪いは引いたんだ。何度もやれば必ず呪いを消せる」 

 意気込む俺。

 それに対してクロハは首を振った。

「止めときなよ」

「え、な、何で? スズの呪いが解けるかもしれないよ?」

 困惑する俺にクロハは深く溜め息を吐く。

「君、自分が倒れた理由に気づいていないのかい?」

「それはーー」

 理由はなんとなく分かる。

 昨日の戦いでも『祝福の瞳』の使い過ぎで苦しかったのだ。

 今回も呪いを解くために相当の力を使ったのだろう。

 それで俺の身体は悲鳴をあげて強制シャットダウンだ。

「君の気持ちは嬉しい。だけど、恩人を死なせたらスズ様に顔向けが出来なくなる」

 クロハが悲しげにそう言った。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ