彼方ルート26
自分たちの瞳の能力を説明して俺は矢沢さんと兵藤さんと別れて、自分の部屋に戻る。
そのまま畳に布団を敷いて倒れ込んだ。
「あああ〜」
疲れた。
とにかく疲れた。
身体のあちこちが痛い。
明日にでも筋肉痛になるかもしれない。
「風呂は……良いや」
汗だくだから風呂に入りたいが、もう動けない。
着替えるのも面倒だった。
布団から鎖でも生えて縛りつけられている気分。
考えなければいけないことが沢山ある。
だけど今はーー
「……お休み」
俺は意識を手放した。
「……ん?」
襖を開ける音が微かに聞こえた。
意識が身体と繋がる。
まだ眠い瞳を薄く開く。
誰かが部屋に居た。
彼女はーー
「守羽……さん?」
「あら、起こしちゃった?」
巫女服姿の守羽さんが俺に微笑む。
今まで見たことのない柔らかい笑み。
「もう、朝、ですか?」
回らぬ頭で確認する。
そういえば何時に起床すれば良いんだろう。
「夜明け前よ。まだ寝てて良いわ」
「そう、ですか」
眠気で意識が遠退く。
「布団にも入らないで、だらしない子ね」
俺が掛け布団を下敷きにしていたので、守羽さんは自分の布団を俺にかけてくれる。
「守羽さんは、良いんですか?」
彼女も疲れているはずだ。
「私は夜番だもの。日が昇れば寝るわ。だからーー」
彼女の指が、優しく俺の髪を梳く。
「お休み」
スーッと眠気に引っ張られる。
そして意識が再び途絶える。
ガランガラン、とベルの音が鳴る。
「んう」
俺は半ば無意識に寝返りを打つ。
「相島、朝よ」
「……ん?」
声に目を開ける。
確かに、暗かった部屋が朝日で明るい。
俺はゆっくり起き上がる。
「おはよう、ございます」
寝ぼけている顔をあげると、目の前には守羽さんが立っていた。
「おはよう。顔を洗ってきなさい」
「はーい」
俺は一度背を伸ばして立ち上がる。
だが、くらっとしてしまう。
「朝弱いの?」
「は、はい。いつもこんな感じです」
フラフラの頭で苦笑する。
「しっかりしてよね。私は休むから」
「は〜い。へ?」
頭に一気に血が上った。
「ん? どうしたの?」
「え、あいや」
俺の目は着替え始めた守羽さんに釘付けになってしまう。
「な、なんで着替えてるんですか?」
「寝るときは着替えるものでしょ。まあ、あなたはそのまま寝てたけど」
クスリと守羽さんは笑う。
なんか柔らかくなった?
じゃなくて!
「わわわッ!?」
俺は顔を逸らす。
「何でここで着替えてるんですか!」
「何よ。学校の更衣室で友達の着替えとか見てるでしょうに。それに着替える場所はここしかないわよ」
巫女服の擦れる音。
……脱いでる。
女子が巫女服を脱いでる!
見たいけど、見たら絶対にやばい!
早くここから離れないと!
「顔洗ってきます!」
「はいはい。いってらっしゃい」




