さくらルート4
放課後、さくらちゃんとの帰り道。
「さ、さくらちゃん」
「な~に、りっちゃん?」
「ここ、公共の場なんだけど……」
朝の手繋ぎをクリアしたら今度は腕を組んでの下校。
ラブラブカップルしかしないような状態である。
「えー私は気にしないけど」
ギュッと俺の腕に胸が押し付けられる。
ヤバい。
恥ずかしさを通り越して興奮してきた。
俺の相棒が現役なら元気百倍だったかもしれない。
腕に全神経が持ってかれそうだ。
気を逸らさないと。
………………。
「さくらちゃんは気になる人って居る?」
俺はさくらちゃんと金剛の仲に探りを入れる。
「りっちゃん」
「いや、私じゃなくて。ほら、男子であの人が格好良いな~とか」
「う~ん」
さくらちゃんは小首を傾げる。
「金剛くんって子かな。一年生なんだけど、優しいのに皆に怖がられちゃって友達が出来ないって相談を受けたの」
「一年生がさくらちゃんに?」
「うん。学級委員の仕事で重い荷物を運んでいたときに手伝ってくれたんだ。見た目は不良なんだけどね」
その時を思い出したのか、さくらちゃんがクスリと笑う。
「それから相談にのってあげることが増えてね。だから、その子が一番気になる子かな」
さくらちゃんは原作のギャルゲー通りのヒロインだった。
その優しさに救われたオタクは俺だけじゃない。
彼女のシナリオで泣いた『さつかそ』ファンは俺だけじゃない。
彼女のハッピーエンドを望んでいる男は俺だけじゃない。
俺の覚悟は決まった。
俺は二人を見守る。
さくらちゃんと金剛が結ばれる未来を。




