不純な動機
初めはそんなものだった。
下心があったというのは間違いない。
段ボール箱に収まった子猫、生まれて幾日なのかわからない。
ミャアミャアと鳴いている子猫を見捨てることができず、部屋へと拾ってきた。
身体を拭いてやり、分かる範囲で世話をし、写真も撮る。
要は、写真で猫を拾ったとSNSでいい、それから人気者になるということだ。
動物もの、特に犬猫の関連は人気が出やすい。
そこを狙っただけだ。
だが、それから次第に猫にはまっていくようになった。
名前も付けた、インターという名前だ。
インスタとツイッターの2つを合わせたわけだが、なかなかに言いやすくて気に入っている。
本猫も気に入っているようで、名前を呼んでやると近寄ってくる。
元は野良猫だが、病院に行って聞いてみたところ病気も寄生虫の類もなかった
健康状態も良好で、家の中で騒がしくしている。
外に行く気はないようで、ベランダに俺がいるときも、窓のそばに近寄っては来るが、そこから一歩外へとでることはない。
下心があったのはそうだ、だが今はただの猫馬鹿と呼ばれるようになった。