救世主現る。
第五話です。ライツの街の話です。
ライツの街で一体何が起きていたのか?それは、ソハン達が燃えている機械を見つける数時間前に遡る。
その日、初めて国を出たナガユ一家は全員がワクワクしていた。高額で買った最低限の装備を付けた機体で遠く離れた地へと一家で向かっていたのだ。最初の目的地はソハン同様、ライツだった。そこに行くには、この機体の出力では、四日かかる距離だった。気楽に滅多に見ない風景を眺めていた。
ちょうどその頃、ある場所で何かのスイッチが押された。
「ねぇ何か地響きが聞こえない?」一家の中で一番耳のいい次女が行った。
「え?そう?何も聞こえないけど...ッ!た、確かに聞こえる!どんどん近付いてくる音が...」
「でも、どうせ他の機体の音でしょ?少し速度を落として先に行かせましょう。」その意見に従い、父親は速度を緩めた。次の瞬間...動力炉のある部分に、巨大な剣のようなものが突き刺さった。そして、巨大な爪のようなものが、家族の寛いでいた、部屋に...
一家は即死だった。
否。一人だけ襲った物の正体を突き破られた機体から見ていた。それは...
「な、何であの時代の遺物が動いて...」
一家の中で一番物知りな男が呟いた。
そう、それはかつての戦争の遺物である、決して動くことのない筈の大型兵器が一柱...
そして、その痕跡をソハン達が見つけたのだ。一家の生き残りをも惨殺した後、大型兵器はライツの街の方へと走り始めた。
その数時間後にライツは壊滅した。ありとあらゆる強さ、硬さを持つ機体が集まっていたライツの街は、ある程度、善戦した。しかし、移動目的の機械では、そう長くは持ちこたえることは出来ず、壊滅した。
最後の機体がやられる瞬間を、見ていたものがいた。彼女は、ライツの街で整備士の弟子として小さい時からライツに住んでいた。最後にやられたのは、数時間前まで、笑顔を浮かべて機体を整備して自分の全てと言ってもいい師匠だった。
彼は、自分だけのんびりしとれるかと言ってかつての愛機、バッカリーに乗り、勇敢に立ち向かった。その機体は唯一、ライツで戦闘用の機体だった。だが、師匠は歳だった。そう長くは体力は持たない。数十分後、弟子の目の前で散っていった。バッカリーは、かつての面影などないくらいに破壊されていた。
少女が、死を覚悟し、目を瞑った瞬間、どこからか一直線に動力源があるところへと魔導砲が飛んできた。それでやられこそしないが、旧型も旧型、一時的な機能停止に追い込まれていた。その瞬間を皆は逃さなかった。少女は、街の人たちと共に遠くへと逃げていった。その心に復讐の火を灯して。
ソハンは、魔導砲なんて効くはずがないと思い込んでいたが、結果フルチャージされた魔導砲が街の半分を救ったのだ。
ちょっと後になるって言ったのに、翌日になりました。すみません。




