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旧・鋼の国    作者: Rafu/
第三章 戦争の足音
34/37

特別編 Everyone birthdays

気まぐれの一話です。お楽しみください。

「ちょっとソハーン!早く起きなさ〜い!!」

 下の階から母親が自分を呼ぶ声が聞こえてきた。

「うぅ...もう少し...だ...け...」

 天気が良く、薄汚れた窓ガラスから明るい日差しが差し込む。

「ちょっと〜!早くしないと...」

 そこまで言われてソハンは、大事なことを思い出した。

「...!今日は...俺の誕生日だ!!」



「「「「ソハン!おめでとう!!」」」」

 ソハンの両親、祖母祖父が盛大に祝ってくれる。

 貧乏な部類に入る家だが、機械を販売することでこうして多少は裕福な暮らしを送ることができている。ソハンは、今の暮らしに満足していた。こうして自分の誕生日を祝ってくれる家族もいる。それだけでとても嬉しかった。




 場所...いや、世界は変わり日本。ごく普通の一般民家。

「鏡花〜!あなたもう、大人なんだからちゃんと起きなさーい!」

 母親の呼ぶ声が部屋の外から聞こえてくる。

「ん...せっかくの日曜日なんだから...もう少し...」

 鏡花は、久しぶりの日曜日でゆっくりと寝ていた。しかし...

「あっ!今日...誕生日だった!」

 ものすごい勢いで起き上がった。



「「「鏡花!おめでとう!!」」」

 鏡花の家族...両親と妹が朝から祝ってくれた。

 鏡花の家では家族の誕生日には、必ずどこか良い料理店に行くというイベントがあった。今日は、家族でも初めて行く料理店に行く予定があった。鏡花はとても楽しみにしていた。




 また世界は変わる。ソハンの住む国からそう遠く無い場所...そう、ライツの街だ。

「ヒューマ〜!!ヒューマ!早いとこ起きなさい!今日は遊ぶんでしょ!」

 母親が一階から呼ぶ声が聞こえてくる。

「そうだった!間に合わなくなっちゃう!」

 ヒューマは慌てて起きて準備をして、荷物を掴んで、階段を駆け下りる。

「おはよ〜!!」

 家族に挨拶し、時間があまり無かったので、簡単に食事を済ませる。

「行ってきます!」

 家の中に大声で叫ぶ。

「「行ってらっしゃい!」」

 両親の声が聞こえてくる。

 今日は、近所の子供達と一緒に一日遊ぶ予定だ。

 出発しようとすると、一人の青年が話しかけてきた。

「おっ、先生のところの娘さんじゃないか!いつも世話になってるな!ありがとう!」

 そう言ってきた。

「あ...ありがとうございます。」

 普段あまり喋らない相手だったので、少し戸惑ってしまう。

「ん...急ぎの用事があるのかな?すまない!止めてしまったね...それじゃあまた今度!」

 そう言ってヒューマの家の隣、工房に駆け込んで行く青年。

 ...その日、ヒューマは一日を満喫した。しかし...

 その日は、ヒューマにとって絶望の日となる。





 ヒューマの住むライツの街から大陸を越えた先にある巨大な国...レファレン。

 その国の最奥地...と言っても良いような場所にある研究所...

 そこで白衣を着た男たちが、青色の液体で満ちた一つの大きなガラスに大小様々なチューブを取り付けていく。

「これで...レファレンに再び最強の力が...」

 その容器をよく見ると、何かが入っているようだ。

 それは...ガスマスクのようなものを口の部分に付けられ、そこからコードが出ている女の人だった。

 よく見れば、生命維持のためなのかあちこちにコードが繋がっている。

 その女の人は、どこから見ても、リアンにそっくりだった。

また気まぐれであげるかもしれません!

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