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旧・鋼の国    作者: Rafu/
第三章 戦争の足音
33/37

ボルカニカ本部基地

 ボルカニカの基地。

 それは、生活に必要な設備が全て備わり、広範囲のレーダー通信、索敵装置、機体の整備場、さらに滅多にない機体の発射装置を二個も保有するという大きな基地だ。

 この基地は戦時中、今はもう無い国が作り、戦後も人知れずひっそりと残っていた。

 それをボルカニカが発見。

 基地全体に充分な魔力が通っていたので使うことにしたらしい。


 ちなみにこういう基地は、魔力を動力源としている。魔導核を直接入れている場合と紅蓮丸のように魔導核から充電して動く場合がある。

 この基地の場合、充電式なので、機体を数時間繋いでおく必要がある。



 そんなボルカニカの基地に、ヒューマとソハン、ボルカニカ、そしてロイが向かう。

 バンダーの街からは、少し遠い場所にある基地は四時間弱で付近に着いた。

「もうすぐ着きます。後ろから離れずについてきてください。」

 ルカナがそう言ってきた。

 周りは草原だったのが、今では岩があちこちに転がり、荒れ果てた風景になっていた。

 少しすると、目の前に巨大な崖のようなものが現れた。

 それは、左右を見渡してもどこまでも続きそうで、高さもかなりあるように見える。

 近付いていくと、無線から声が聞こえてきた。

『...こちらボルカニカ管制室。機体を視認した。コードを送信するよう要請する。』

 それの発信源は、崖の中だった。

「了解。コードを送信する。」

 ルカナがそう応じ、数秒後。

『...コードを確認。団長、お疲れ様です。防御結界、一部解除。ハッチロック解除。どうぞ。』

 すると、目の前の崖の一部が開いた。そこにルカナを先頭にして、全員が入っていく。




 入った先は、カーブした通路だった。壁に両側に僅かな灯りがあるだけで、何もない通路。

 ヒューマは、周りを見ながら前に進んでいた。

「こんなのが、まだ残ってるなんて...」

 少しすると、眩しい光が見えてきた。




 薄暗い通路を抜けた先は、崖の中ということを忘れさせるくらいの場所だった。

 地面は、綺麗に整備され、白線があちこちに走っている。左右には、様々な機体が置かれている。

「凄い...大きい...」

『ヒューマさん。機体はこちらで片付けておくので、先に部屋の方に...』

 ルカナがそう言ってきた。

「あ、はい。ありがとうございます。ここ広いですね。」

『ありがとうございます。でも、ここは整備区画と射出機構しかないので...全体の三分の一くらいですよ。』

 驚きだった。どれほど巨大な基地なのか。

 後から詳しい案内をしてくれるとのことだったので、紅蓮丸を指定されたエリアに止め、壁に設置されたリフトに乗る。

 壁に設置されたボタンの一つを押し動くのを待つ。

 他にも何人か乗り込み、リフトは上がっていく。

 ヒューマが行くように言われた場所は、リフトの表示が『F-3』となっている区画だ。そこが宿泊が出来る区画になっているらしい。




 少しすると、『F-3』の表示になった。リフトは止まり、ヒューマは降りた。

 ルカナからは、空いている部屋ならどこでもいいと言われているので、空いている部屋を探す。

「ここは...空いている...」

 空いている部屋はすぐに見つかった。

 中に入り、ベッドを見つけると思わず飛び込んでしまった。

「はぁ...疲れた...ソハンは...大丈夫かな...リアンは...」

 ヒューマは寝た。

次回も週末の予定です。

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