状況把握
久しぶりです。インフルエンザで倒れていました。復活しました。よろしくお願いします。
バンダーの街から少しのところにある平原地帯。
ヒューマとボルカニカの一団がそこに着いた時、あちこちのパーツが欠け、黒煙をあげる鋼鉄丸が一番に目に飛び込んできた。
「ソハン!」
ヒューマが叫び、機体の速度を上げ近くまで一気に行く。
近くまで行くと機体の影に、人がいるのが見えた。
「ソハンだ!でも...後一人は誰...?」
数十分後、ヒューマとボルカニカの全員が、鋼鉄丸の周りに集まっていた。
ソハンはこの場にはいない。
ヒューマがソハンを発見し、怪我の具合に悲鳴を上げ、ボルカニカの救護員が慌てて駆けつけて応急手当てを行った。
ソハンを救助したと言う傭兵の男は、何があったのかを詳細に話してくれた。そのおかげで何が起きたのかは大体分かっている。
「じゃあ、リアンさんを連れ去ったのはレファレンの奴らか。」
ルカナが静かにそう言った。
「そうだ。レファレンから依頼を受けたし、あの機体もレファレンから貰った!金も寄越すと言ってたのに...俺を殺すだとよ!」
傭兵の男がそう言う。
だが、周りのメンバーは皆、冷たい表情をしている。
そんな微妙な空気の中、ルカナが溜息をつき、こう言った。
「あのなぁ...金が欲しかったからかもしれないが...国絡みの依頼は断れよ。そういうのは、失敗したら完全にアウトだし、失敗しなくても国側から消される可能性だってあるんだぜ?傭兵とか用心棒、何でも屋をやるなら、そこは気をつけろ。」
ルカナは静かにそう言った。
「おい、こいつの機体を調べろ。慎重にな。レファレン側から渡されたなら、早いうちに調べたほうがいい。」
傭兵が聞く。
「なんでだ?」
ルカナはまた溜息をつき...
「あのなぁ...お前...馬鹿なのか...?あっち側から渡されたなら、口封じのために爆弾なり自爆機能なりお前を殺す手段をつけているかもしれねぇだろ...」
傭兵は納得したような顔をした。
「よし...調べるぞ!」
その掛け声とともに、作業が始まった。
ヒューマは鋼鉄丸の操縦席部分に一人いた。
吹き飛ばされたソハンの腕は、操縦席の一番後ろまで吹き飛ばされ、壁は血で真っ赤に染まっていた。今は腕は既にソハンと共に運び出されており、血の跡が残るだけになっている。
リアンは鋼鉄丸の損傷具合を見にきた。本当はソハンのところへ向かいたかったが、何も出来ず、リアンを連れ去られたショックでソハンとは会えずにいた。
鋼鉄丸の中を歩いていると、リアンの席があった部分に見覚えのあるものが転がっていた。
「これって...リアンの...」
それはリアンが、ウェイク遺跡で貰ったアイテムだった。
「...連れて行かれる時に...落としたのかな...」
その時、外からヒューマを呼ぶ声が聞こえた。
「ヒューマさん!ボルカニカの基地に向かいます!ソハンさんの機体も運ぶので、運搬の準備を!」
ルカナが呼びにきていた。
「あの機体何もなかったんですか?」
「あぁ...機体には何もありませんでした。ただ、システムの中はまだ調べきっていません。なので、一旦操縦席やシステムの入ったパーツだけ全部取り外して、運搬しようということになりました。その方が安全なので。」
「...ソハンは?」
「ソハンさんは、まだ意識が目覚めてないそうなので、小型の運搬車で基地まで行きます。」
ヒューマは首を傾げながら、
「基地?基地があるの?」
「あります。昔...戦時中ですが...巨大な岩山をくり抜いて作られた基地です。機体も全部入りますし、生活設備も整っています。」
「へぇ...すごいな...」
そのあと、ヒューマは仮設テントに入った。中には一人だけいた。
傭兵の男だ。
「...嬢ちゃん...その...すまないな...」
男はヒューマを見て、そう言った。
「その言葉はソハンとリアンに言ったほうがいいよ。私に言われても...まぁ確かにイラッとしてるけど...」
「そうか...」
「ていうかさ...あんたの名前聞いてないんだけど。」
「俺の名前...?あぁ...言ってなかったな...俺は、ロイ・ディスク。生まれは...分からない。貧民街で育ったからな。色々すまなかった。あの嬢ちゃんを助けるのを絶対に手伝う!」
ヒューマはポカンとした。そして...
「だから、私に謝るな!」
ロイを蹴り飛ばした。
次回の投稿は、だいぶ先になります。二週間ほど予定がギッチリ詰まっているので...




