“力”
お待たせしましたっ!
鋼鉄丸は、左側のアームを失い、あちこちのパーツが取れ、警告のマークが激しく点滅している。襲ってきたフューリーは崩れ落ち、空から襲って来た男が謎の台詞を言ってきた。
『さぁ返してもらおう。レファレンにとって必要なものを。』
そう言った男は、本来両腕があるべき部分から、小型の魔導砲がついたアームを二本出し鋼鉄丸に突きつけた。
「...レファレン?なんであの国が、俺たちみたいな一般人を襲う?」
ソハンは素直な疑問をぶつけた。
『はっ!何も知らないのか?まぁ知らないなら知らないでいい...取り敢えず、返してもらうぞ?』
そう言った男は、ハッチを開け出てきた。顔は影でよく見えなかったが、ゴツい体格をした男だった。
そして、男は何かを鋼鉄丸の方へと投げやった。
それは、鋼鉄丸のハッチ部分に張り付き、小さな爆発を起こした。
「うわっ!」
ハッチはソハンがいる後部操縦席付近にあるので、ソハンに衝撃が直撃した。
「ソハン!」
リアンが振り向き、ソハン側の席に飛び移る。
「大丈夫...なんとか...」
ソハンは無事だったが、激しく体をぶつけたらしく、痛みで余り動けないようだった。
リアンがハッチを見ると、爆発によりハッチは、ずれて開いていた。そこから、男の顔が覗く。
「...本人だな?レファレン王からの要請だ。お前を本国に連れて行く。」
男は機体に入り込み、リアンを物凄い力で持ち上げる。そして、そのまま機体の外に出て行こうとする。
「ちょ!何すんのよ!あんた!」
リアンが抵抗するが、男から逃げ出せない。
「待てよ!...あんたは誰だ?そして、何でリアンを連れて行く!」
それは、当然の疑問だった。それに対する答えは単純だった。
「俺は傭兵だ。何故連れて行く...それはあちらさんから依頼があったからだ。たったそれだけだ。」
そう言うと、リアンを抱えたまま機体の外に出て行く。
「ソハン!」
リアンがソハンに向かって何かを投げる。
しかし、それはソハンの手元を逸れて、リアン側の席に飛んで行ってしまった。
「リアン!くっそ...」
ソハンは、無理矢理、体を起こそうとした。しかし、痛みが強烈で上手く動けない。
『目的は果たした。これでオサラバさせてもらうぜ。』
そう言ってあの機体はゆっくりと飛び立っていった。
しかし、男は致命的なミスを犯した。
『あちらさんとの合流場所は...鉱山の入り口か。』
通信を切らずに、行き先を言ってしまったのだ。
それに気づいたのか気づかなかったのか、男はそのまま飛び立って行ってしまった。
飛び立って行った直後、少し離れたところで何かが起動する音が聞こえてきた。
「な、何の音...だ?」
その方向にある物には心当たりがあった。しかし、それは想像もしたくない物だった。
「やめてくれよ...今の状況じゃ...」
勢いよく飛び出してきたのは、ヒューリーだった。
「動かさないと...」
人は危機に陥ると、どんな状況でも体は動く...ソハンはまさしく、そういう感じだった。
鋼鉄丸の操縦桿を掴み、無理矢理に機体を動かす。
フューリーの一撃目を、それでかわす。たったそれだけで鋼鉄丸の警告音が鳴り響く。
「うるさい...」
二回目の攻撃。再びかわす。警告音が鳴り響く。
「うるさい...」
三回目の攻撃。かわす。警告音が鳴り響く。
「うるさいんだよ!」
四回目。かわせない。直撃する。
攻撃が当たったのは、左側のアームがあった場所だ。そこをさらにえぐられる。
鋼鉄丸の機能が、まともに動かなくなった。
「...リアン。」
ソハンはうつむきながら少女の名をぽつりと呟いた。
ヒューリーがこちらをぎこちない動きで見る。
その時だった。
鋼鉄丸が、突如自動で攻撃を交わしたのだ。
「えっ...」
それは、ソハンやリアン、ヒューマが付けた覚えのない機能。
何気なく正面を見てみると...
-(VASTY-SYSTEM)-
LIMIT TIME—5:00—
ARE YOU READY?
と書かれた赤文字が出現していた。
最初、限界時間を3:00にしようとしました。しかし、何とかマンと同じだなーと思い、5:00にしました。
...あとで気がつきました。ナニンゲリオンと被ったことに...
そして、プロットを見返すと、旧劇と同じ方向性になっているなーと...ヤバイ...どうしようか...
(わからない方は、動画投稿サイトにて、「まごころを君に」と検索してみてください。グロいのダメ系の人はお控えください。)




