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旧・鋼の国    作者: Rafu/
第三章 戦争の足音
28/37

“力”

お待たせしましたっ!

 鋼鉄丸は、左側のアームを失い、あちこちのパーツが取れ、警告のマークが激しく点滅している。襲ってきたフューリーは崩れ落ち、空から襲って来た男が謎の台詞を言ってきた。




『さぁ返してもらおう。レファレンにとって必要なものを。』

 そう言った男は、本来両腕があるべき部分から、小型の魔導砲がついたアームを二本出し鋼鉄丸に突きつけた。

「...レファレン?なんであの国が、俺たちみたいな一般人を襲う?」

 ソハンは素直な疑問をぶつけた。

『はっ!何も知らないのか?まぁ知らないなら知らないでいい...取り敢えず、返してもらうぞ?』

 そう言った男は、ハッチを開け出てきた。顔は影でよく見えなかったが、ゴツい体格をした男だった。

 そして、男は何かを鋼鉄丸の方へと投げやった。

 それは、鋼鉄丸のハッチ部分に張り付き、小さな爆発を起こした。

「うわっ!」

 ハッチはソハンがいる後部操縦席付近にあるので、ソハンに衝撃が直撃した。

「ソハン!」

 リアンが振り向き、ソハン側の席に飛び移る。

「大丈夫...なんとか...」

 ソハンは無事だったが、激しく体をぶつけたらしく、痛みで余り動けないようだった。

 リアンがハッチを見ると、爆発によりハッチは、ずれて開いていた。そこから、男の顔が覗く。




「...本人だな?レファレン王からの要請だ。お前を本国に連れて行く。」

 男は機体に入り込み、リアンを物凄い力で持ち上げる。そして、そのまま機体の外に出て行こうとする。

「ちょ!何すんのよ!あんた!」

 リアンが抵抗するが、男から逃げ出せない。

「待てよ!...あんたは誰だ?そして、何でリアンを連れて行く!」

 それは、当然の疑問だった。それに対する答えは単純だった。

「俺は傭兵だ。何故連れて行く...それはあちらさんから依頼があったからだ。たったそれだけだ。」

 そう言うと、リアンを抱えたまま機体の外に出て行く。

「ソハン!」

 リアンがソハンに向かって何かを投げる。

 しかし、それはソハンの手元を逸れて、リアン側の席に飛んで行ってしまった。

「リアン!くっそ...」

 ソハンは、無理矢理、体を起こそうとした。しかし、痛みが強烈で上手く動けない。

『目的は果たした。これでオサラバさせてもらうぜ。』

 そう言ってあの機体はゆっくりと飛び立っていった。

 しかし、男は致命的なミスを犯した。

『あちらさんとの合流場所は...鉱山の入り口か。』

 通信を切らずに、行き先を言ってしまったのだ。

 それに気づいたのか気づかなかったのか、男はそのまま飛び立って行ってしまった。




 飛び立って行った直後、少し離れたところで何かが起動する音が聞こえてきた。

「な、何の音...だ?」

 その方向にある物には心当たりがあった。しかし、それは想像もしたくない物だった。

「やめてくれよ...今の状況じゃ...」

 勢いよく飛び出してきたのは、ヒューリーだった。




「動かさないと...」

 人は危機に陥ると、どんな状況でも体は動く...ソハンはまさしく、そういう感じだった。

 鋼鉄丸の操縦桿を掴み、無理矢理に機体を動かす。

 フューリーの一撃目を、それでかわす。たったそれだけで鋼鉄丸の警告音が鳴り響く。

「うるさい...」

 二回目の攻撃。再びかわす。警告音が鳴り響く。

「うるさい...」

 三回目の攻撃。かわす。警告音が鳴り響く。

「うるさいんだよ!」

 四回目。かわせない。直撃する。




 攻撃が当たったのは、左側のアームがあった場所だ。そこをさらにえぐられる。

 鋼鉄丸の機能が、まともに動かなくなった。

「...リアン。」

 ソハンはうつむきながら少女の名をぽつりと呟いた。

 ヒューリーがこちらをぎこちない動きで見る。

 その時だった。

 鋼鉄丸が、突如自動で攻撃を交わしたのだ。

「えっ...」

 それは、ソハンやリアン、ヒューマが付けた覚えのない機能。

 何気なく正面を見てみると...


 -(VASTY-SYSTEM)-

 LIMIT TIME—5:00—

 ARE YOU READY?


 と書かれた赤文字が出現していた。

最初、限界時間を3:00にしようとしました。しかし、何とかマンと同じだなーと思い、5:00にしました。


...あとで気がつきました。ナニンゲリオンと被ったことに...


そして、プロットを見返すと、旧劇と同じ方向性になっているなーと...ヤバイ...どうしようか...


(わからない方は、動画投稿サイトにて、「まごころを君に」と検索してみてください。グロいのダメ系の人はお控えください。)

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