幕間〜六年前の事件〜
本編とは少し逸れますが...
一日目
何やら昔の兵器の復元作業を依頼して来たところがあるらしい。しかも匿名での依頼だ。明日には、復元する兵器の搬入作業があるという連絡が回ってきた。仕事が入るのことはとても嬉しい。
二日目
搬入された兵器は、ヒューリーというものらしい。依頼側からの要望は、完全な自動化を最優先でしてほしいとのことだった。自分は、そのシステムを開発する係になった。昔はそういうシステムはあったらしいが、最近はあまり見なくなった。一からの開発なのに期限は、とても早い。
三日目
参考資料としてとある発明家が作った『ヴァスティシステム』を参考に開発を進めることになった。機体の修復が意外にも早く、少し期限が早めになった。
...約一ヶ月後...
三十三日目
明日は、新しく開発したシステムの試運転の日だ。最近は、日記を書く時間が多く取れないので、短文になるだろう。なので、音声と映像データをあるところに転送することにした。本来ならやってはいけないが、このヴァスティシステムをコピーしたものの深いところに隠す。余裕が持てた時に、拾い上げるとしよう。
三十四日目
今日の試運転は上手くいった。いよいよ機体に搭載し、起動させる日が近づいて来ている。
三十五日目
少し体調が優れない。明日は休むことにした。
三十六日目
明日の昼過ぎにスイッチを入れるそうだ。その場に立ち会えないので、妻と子供が見学に行って感想を聞かせてあげると言ってくれた。
三十六日目
いつまでたっても、帰ってこない。どうしたのだろうか?胸騒ぎがする。
三十七日目
体調が良くなりそうなので、明日様子を見に行くことにした。
三十八日目
研究所は消えていた。機体が暴走したらしい。研究所跡地を見てみると、見覚えのあるぬいぐるみが落ちていた。それは子供が大切にしていたものだった。...仕事も妻と子供も、もういない。
三十九日目
もうこの世にやるべきことはない。研究所のデータは、全て消去した。そして、恨む。あの国を。レファレンを。
本編の続きは来週です!




