試練〜ソハンの場合〜
遅くなりました!
「ここどこだ?」
ソハンは、倉庫のようなところに立っていた。照明は薄暗く、少しだけ埃っぽい。
『お待たせ〜』
「あ、どうも。」
『説明するね〜。この道具入れに武器弾薬を一定量、入れてあるの。それを使って闘え!っていう試練ね。』
そう言って取り出したのは、円形の水晶が埋め込まれた腕輪だった。
「戦う相手は?」
『無茶苦茶強いロボットよ。でも安心して。そいつらに通用するような武器を入れてあるから。』
「取り出し方は?」
『取り出し方?あー...自分でやってみてね!』
まるで使い方を知らないような感じだった。ソハンは少し疑ったが、流石にそれはないと思った。
『じゃあ、早速行ってみようか!』
そのセリフと同時に、倉庫が消えた。そこに広がっていたのは、いくつかの建物と人型のゴツい武装ロボット達だった。
ロボット達は、機関銃を両肩に載せている。それと別に、腕にそれぞれ違う武装をくっつけている。しかし、動く気配が全く無い。
ソハンの目の前には、白色の線が引いてある。
「これを越えたら...始まる...のか?」
少し悩み...
「使い方、確認してから行くか。」
ちゃんと使えるようにしてから行くことにしたソハンだった。
数分後...
「よし。やるか!」
ソハンは白線を越えた。それと同時に、ロボット達が一斉に動き始めた。
ソハンがある程度近くと、機関銃を一斉に撃ってくるロボット達。それをソハンは、腕輪から取り出した大型の盾で防ぎながら、前進して行く。
このアイテムの使い方は意外にも簡単だった。入れているものを全て把握した状態で装着し、使いたいときに使いたいものを考えれば自然に出てくる。
ソハンは、中にあるものを全てを取り出すという思考をして内容物を把握した。
その後、入れ直すのに少々手間取ったが。
「武器さえ分かれば大丈夫!」
敵の攻撃が一瞬だけ止まる。その間に、盾を消し別の武器を取り出す。その武器は、外見は普通の機関銃だが、弾が少々特殊だ。普通の弾に、魔導兵器用の魔導核からの魔力を込めらている。なので、普通の金属程度なら軽々と貫通していく。
その銃を正面の敵に向かって、連射する。銃を扱い慣れていないソハンだが、敵の体は巨大だ。それに、数も多く密集しているので、前に向かって撃ちまくれば当たるものだ。
最初の一撃で、正面にいた数体が倒れた。そのままソハンは、右側に向かって連射する。相手は、攻撃する間も無く撃沈される。
しかし、後少しで倒しきるタイミングで更なる敵が出現した。
「嘘だろ...」
出現した敵は、今までのよりも一回り大きく武装も多く積んだロボットだった。
しかし、そのロボットは運が悪すぎた。本来なら、ソハンの目の前に出現する筈だった...筈だ。
何のミスか、そのロボットは大弱点である背中側をソハンに向けていた。単にソハンが前に進みすぎていただけのことだが。
「コイツ阿呆なのか?」
その先は、言うまでもなくソハンの背中への連射攻撃でラスボス感溢れるロボットはあっさり沈んだ。
『あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!』
あの女の声が疲れていたのは、これを観て大絶叫をしたからだった。
『コイツ!こうなったらヤケクソよ!行きなさいっ!』
そう言って出て来たのは、最初にいたノーマルロボット達だった。ただ、数が異常だった。
「ちょ...多過ぎでしょ!」
『知るか!』
襲って来るロボットに向けて、機関銃の弾薬をばらまくソハン。それと同時に、もう一つ武器を取り出す。
「これでも喰らっとけ!」
ロボットの後続にむけて、それをポイッと放り投げる。数秒後、後続がバラバラに吹き飛んだ。
ソハンは、持てる攻撃手段を全て使ってロボットをバラバラにしていった。
リアンとヒューマがカプセルを受け取っていた頃、ソハンは最後の一体を仕留めいていた。
「あぁー疲れた〜......これどうやって帰るんだ?」
ソハンは、帰り方が分からず、彷徨っていた。
次回の投稿は来週の予定です。




