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旧・鋼の国    作者: Rafu/
第二章 遺跡探索編
22/37

試練〜ヒューマの場合〜

ヒューマです。

 ヒューマは、リアンとは少し違う空間にいた。そこは、どこを見ても星空が広がる空間だった。星は少しずつ動いている。

「綺麗なとこ...」

 周りの景色を眺めていると、突如あの女の声が聞こえてきた。

『ありがとねー。いやぁ頑張ってよかったわー』

「うわっ!あなたがこれを作ったの?」

『この空間は私が作ったの。......他のところも始めているわね。遅れを取るのもあれだし、始めようか。』

 すると、何もない場所にリアンのアイテム同様腕輪型の物が出現した。

『じゃーん!透過するアイテム〜』

 ヒューマの選んだ『物を透過するアイテム』は腕輪型だ。腕輪の周りに水晶の破片のようなものが取り付けてある。

『これをつけて。』

 ヒューマのいるところまで、腕輪がふわっとやってきた。

「つけたよ。」

 つけると同時に、星空の空間が消え、無機質な壁が広がる空間に変わった。

『さぁアイテムを使って、どんどんすり抜けて行きなさい!』

 ロクな説明もなしにヒューマは、試練を始めさせられた。




「え?どうすればいいの?これ...」

 ヒューマは戸惑っていた。

「ちょっと!どうしたらいいの⁈」

 問い掛けるが、あの声は聞こえてこない。

「えーと...取り敢えず...」

 近くの壁まで行き、片方の手を壁に付ける。

「すり抜けられない...何かスイッチが...」

 腕輪をあちこち触ってみるが、スイッチらしきものは無い。

「うーん...あの壁をすり抜けたい...すり抜けたい...」

 ブツブツ言いながら、壁に向かって歩いて行く。


 ヒューマは、壁にぶつかったと思った。しかし...

「あれ?おお‼︎すり抜けれた!」

 見事に壁の反対側に、到着した。

「んーこれを繰り返していけばいいのかな?ていうか...どこにいけばいいの!」

 思いっきり叫んだ。するとあの声が聞こえてきた。

『全く...あの男の子...疲れた...あら...すり抜けられたのね。』

「ソハンがどうかしたの?あーいいや。どこにいけばいいのか教えて!」

『行き先?無いわよ?』

「えっ...ちょ...どこを目指せばいいのか分からないんだけど?」

『それを探しながらすり抜ける練習ってのをして欲しいんだけど...』

「最初に言ってよね!それ!」

『あれぇ...言ってなかった?ごめんね〜』

 女の声はそのセリフを最後に再び消えていった。

「よしっ。最初にいた部屋目指して頑張ろっと。」



 それから、三十分後。

「むぅ...着かないなぁ...」

 ヒューマは彷徨っていた。あれからブツブツ言いながら壁をすり抜け続けた。

「あーもー...ってあれ?ここって...」

 そこは、見覚えのある通路だった。

「鋼鉄丸とか止めたところの近く...かな?だったら、あと少しかな?」




 それから、さらに三十分後。

「...どこ...ここ...」

 さっきまでいた通路をまっすぐに行っていたのに、図書室のような場所にヒューマはいた。

「こっちの壁に...」

 すり抜けてみると、さっきの通路に出た。さらに目の前の壁をすり抜けてみる。

「また部屋だ。...もしかして...」

 入ってきた壁に角度をずらして入ってみる。

「さっきの通路だ。」

 再び壁に入る。そして、角度をずらして入る。

「不思議な場所だなぁ。」

 その後も、ヒューマはテンポよく壁を通り抜けて行った。

 気付けばヒューマは、ブツブツ言わなくても自然に通り抜けれるようになっていた。




「それ...ください!」

『いいよー。』

 女が承諾すると同時に、リアンの前にカプセル状薬がポンっと現れた。

『それ飲めば作り方がわかるようになるから。』

「ありがとう!」

 それを受け取り、何となく壁を見たリアン。

「着いたぁっ!」

 壁からヒューマが出てきた。

「うわぁぁっ!」

 リアンがビックリしてワタワタする。

「リアン?あ、先に終わってたんだ。」

「うん。お疲れ〜」

『あら、案外早かったわね。まだかかるかと。』




 ヒューマは疲れがどっと出たのかその場にしゃがみ込んだ。すると、リアンが何かを思い出したようで...

「あ、そーだ!ヒューマにもあのカプセルあげてよ!」

 リアンがさっき貰ったカプセルをヒューマにもあげて欲しいと頼む。

『あーいいわよ。劣化版だけどね〜』

「え?何貰えるの?」

 何も知らないヒューマが、聞いてくる。

『劣化版...まぁあなたのそのアイテムだと...簡易版...かしら?その設計図みたいなものよ。欲しかったらあげるけど?』

「あーじゃあ貰っとこうかな...便利だし...」

 ヒューマはこれがあれば色々できると考えていた。

『まぁそうね。』

 カプセルがヒューマの前に現れた。ヒューマがそれを受け取る。

 そこで、再びリアンが何か大事なことを思い出した。

「そういえば...ソハンは?」

 まだ、ソハンが出てきていなかった。

来週は、諸事情で投稿できません。なので10/6、10/7のどちらかに投稿したいと思います。

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