バンダー平原の戦い
戦闘序盤回です。
賊が仕掛けてきたのは、バンダーの少し手前にあるバンダー平原という草原地帯だ。近くに少し大きめの岩が転がっているエリアがある。
『テメェら!機体の武装と消耗品を全部置いていきやがれ!』賊の戦闘型の機体がスピーカーでそんなことを言ってきた。
「「「んなことできるかって。」」」ソハン、リアンとヒューマは息ぴったりにボソッと呟いた。
『拒否するんだな?んじゃ死んでも文句は言えないよなぁ?』賊は、ゲラゲラと笑いながらそう言った。
すると、ルカナさんが、
『ソハンさんっ!何言ってるんですか⁉︎』
「いやだって...渡せるわけないじゃん。」すると、八機いる敵のうち四機が武器を構えた。内部通信でヒューマに伝える。
「相手の装甲どれくらいかな?」
「普通だと思うよ。」普通なら大丈夫かな?
「リアン。コンテナ、半分。あっちの四機に。」
「りょーかい!」六年前からとことん改造を繰り返したあの武器。名称は...
「魔導弾!五十発行っけぇ!」ボタンをポチっとする。コンテナが勢いよく開き、六年前より小型に、かつ威力が高められた通称『魔導弾』が打ち上げられる。その弾は、一直線に...
『ん?なんだあれは...まさかっ!お前ら!散開しろっ!』賊のリーダーが叫ぶが、周りはなんのことかわかっていない様子。次の瞬間、武器を構えていた方の敵へと直撃し、装甲表面を紙を破るかのように食い込んだ。操縦者が、何が起きたか理解する前に四機全てが...バラバラになるほどの大爆発を起こした。
騒然となる両者。しかし...
「...やばいな。やっぱ。」作った張本人であるヒューマでさえも驚く威力。
「ねぇ。半分もいらなかったんじゃないの、これ...」
「ここまでとは考えてなかった。ごめんなさい。やりすぎました。」
『き、貴様ら!よくも俺の同胞を!よくも!』敵のリーダーは、半分の同胞を一瞬で殺されたことに憤慨しているようだ。
残りの四機も武器を構えた。
「リアン、魔導弾残りはとっといて。」
「う、うん。そうだね。流石に...」
敵が、各個撃破を狙ってか二機ずつに分かれてきた。すると、ルカナさんが、
『ボルカニカ総員!半分に分かれて敵を向かい打て!ソハンさん達は、機体数の少ない方についてください!』ボルカニカの機体は、五機。二機しかいない方にサポートで入って欲しいとのことだった。
正直言って、ソハン達だけでも勝てることは誰から見ても可能そうだった。しかし、ソハン達だけにすると、ボルカニカが護衛をしている意味がなくなってしまう。なので、あくまでも『サポート』という形でつかせたのだ。
ここから、ボルカニカ全員が驚くようなバンダー平原の戦闘が始まる。




