伝承を追って
新章が本格的に始まります。
必要なものを買うついでに、ヒューマはこの国一番の図書館へ行き、様々な伝承を調べていた。入国許可証さえあれば、いつでも閲覧だけはできるそうだ。
「へー。師匠に聞いてたのよりもすごいなぁ〜」
ヒューマは、幼い時に両親を事故で無くしている。両親も整備士をやっていた。その際、両親の唯一の弟子が重大なミスをし、爆発が起きてしまった。その弟子は後遺症が残ったものの生き残った。両親は、重症の火傷を負い死んでしまった。その時ヒューマは偶然近所の子供と遊んでおりその事件を知ったのは、血相を変えて飛び込んできた両親の友人がきてからだった。
その後、ヒューマはその友人...のちに師匠と慕う人物に引き取られた。
師匠は、物知りで様々な伝承を知っていた。暇があれば、ヒューマに語っていた。その伝承が本当のものなのかということまでそのおかげでヒューマは、本当のことと確認されている伝承はほとんど知っていた。確認されていないものには、地下帝国が存在しそこに最高レベルで硬い金属が存在するというものや、魔導核以上のエネルギーを発生させる機関が数機存在するといったものがある。ヒューマからしたら、全部存在すればいいのに...なんていうレベルのものばかりだ。今、ヒューマの読んでいる本にもそういったオーパーツじみたものがたくさん載っている。その中で、この国付近で囁かれる伝承を見つけた。
「えっと...コレは収納箱?こないだの噂のやつかな...?『太陽が沈む時、光の道現る。その剣先に全てがある』...ここ行ってみたい。」
ヒューマは、興味が湧いていた。その日の夜、ヒューマはソハンたちにその伝承を伝えた。
いよいよ出発の日。国の門まで、機体を走らせる。
「おう!今回はどのくらいの間だ?」見慣れた門番が聞いてきた。いつもなら、一週間くらいというのだが...
「今回は、一ヶ月くらい帰ってこないかな...」
「そんなにか!寂しくなるぜ...リアンもヒューマも気をつけてな!よし!大丈夫だ!行っていいぞ!」
「ありがとう!」手際よくささっと出て行く。
ヒューマが伝えた伝承について三人の知恵をひねり出した結果、おそらく夕方の海辺でくの字に折れ曲がっている部分では無いかという予測を立てた。とりあえず、海辺へと全速で向かっている。今太陽は、ちょうどてっぺんにある。運が良ければ今日中に。もしくは、明日の夕方になるだろう。久しぶりの冒険に三人は喜んでいた。




