【手作りはお嫌い?】
続きです…!
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「お兄さん…付いて来ちゃダメですよ…?」
海斗の意識が途切れるその瞬間。
一瞬だが微かに見えたあの姿。見覚えがある、小さい体には合わず大きいコートを着る少年。
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何かに運ばれているような感覚。
未だに痛む頭。
少人数の喋り声。
重いまぶたを開ける。周りの緑色の光で目がチカチカとする。
緑のような青のような淡い光が部屋中を囲んでいる。
部屋は何かしらの実験室のような作りだ。
目を凝らして見てみれば、2人の少女がニコニコしながら海斗の顔を覗き込んでいる。
「あ!起きた!」
「起きたね!」
「…?」
片目を髪で隠して、袖が長すぎて手が見えないブカブカな服をきている、顔がそっくりな少女たち、双子だろうか?海斗は未だに混乱している。
それを察したのか双子の少女達は楽しげに話しかけてくる。
「あ!体痛む?」
「おかしいところない?」
「私達がくっつけたんだよ!」
「すごいでしょ!」
「体は…普通に痛い…なんか痺れてるし動きずらい…ここはどこだ…?あとお前ら誰だ?」
「えーっと…ここは…家!私の名前はアリー!」
「そして私がルミー!」
「あ、ルミ鏡みせたげて!」
「りょーーかい!!」
「…???」
そう言いドタバタと鏡を持って来ては鏡を海斗の顔に押し付けるルミ。
海斗が鏡を見たらそこには自分の顔ではない。よく知った顔。翠の顔が鏡には写っていた。
「は?!これ俺だよな?!髪あけーし…なんで?!なんで俺翠の顔なんだ??!」
「んー?お兄さんが考えてた人の体そっくりに作ったんだけど…」
「嫌いだった…??」
「俺が翠を考えてた…って事か…?!いや、俺はただあいつに腹がたってただけだ!!」
「おぉ〜!じゃあそれじゃーん!」
「それじゃーん!」
「マジか…」
「マジだ…!」
「マジだ…!」
海斗の反応が新鮮なのかアリーとルミーはニコニコととても楽しげに返事をする。
「戻してくれるんだよな…?」
「んー…どしよ?」
「どしよっか…?」
「え…?いや、戻してくれよ?!」
「………」
戻してくれと強く訴える海斗、だが2人はお互いと海斗を交互に見て無言で何かを考える。それにつられて海斗も無言で2人を睨む。
「…無理だよね。」
「戻せないよね。」
「は…?」
ようやく口を開けた2人、だがその言葉は海斗が望まない返事だった。
「いや、戻せよ!…なんでこんな体にしたんだよ?!ふざけんなよ!!」
「……」
ガチャ…
海斗が焦り双子に怒鳴る、その直後に海斗の後ろ側にあった扉が開く。
「あ、ジャック…」
「ジャック…どうする…?」
「…ジャック…?」
聞き覚えがある名前。それに反応し後ろを振り向く海斗。
「てめーだろ?!俺をここに連れて来たのは…!そうなんだろ?!」
海斗はとっさにジャックの胸ぐらを掴みジャックを持ち上げながら再度怒鳴る。
「お兄さん…ごめん…僕がお兄さんの頭鉄の棒みたいなので殴った…」
「やっぱりそうか!おかげで頭の後ろっ側いてーわ!!」
「ッフ…」
「ッフフ…」
ジャックが気まずそうに誤っているのに対し海斗が最初に文句を言う場所が殴った事だったと言う意外な反応に思わず笑ってしまうアリーとルミー。
「ご、ごめん……」
「マジでいてーし体は俺のダチみてーだし…なんなんだよ……」
「あー…アリーとルミーがお兄さんで遊ぶって聞かなくて…その…うん…ごめんなさい…」
「はぁ…全くだ…とりあえず今日は帰るわ…」
紫達ならなんとかしてくれるだろ、っと思い扉に向かう海斗。すると…
「… ど こ 行 く の ?」
「…帰 さ な い よ ?」
「…帰 さ な い よ ?」
「…?!」
海斗がドアノブに手を当てたその瞬間ジャックとアミー、ルミーから殺気を感じ固まってしまう海斗。
「逃すわけ…」
「ないじゃん…」
「…俺は…帰るからな!!!」
アリーとルミーが海斗につぶやいたその瞬間、海斗はほぼパニック状態になりドアを思いっきり開けて外に出る。
「…なっ…?!!」
ドアをあけて外に出てみれば、ジャックの姿があった。
「 か え っ ち ゃ ダ メ だ よ … ?」
海斗はすぐさまジャックを避けて走っていくが、体がまだ完全に使いこなせないでいる。そのためか足が何もないところで引っかかり転倒してしまう。
「うぁっ…?!」
海斗が転倒したと同時にジャックが後ろから近付いてくる。
海斗が素早く立ち上がり走り出す。
すると背中にとても、とても強い痛みを感じる。
背中を見てみる海斗。そこにあったのは包丁。包丁が海斗の背中に突き刺さっていた。
包丁を強く差し込み、すぐに抜く。
「っがは…!!」
背中から流血し血を吐く。それでもここから出ようと歩き続ける海斗。
だが背中の傷が開き大量に血を流す海斗には歩くほどの速さでは移動できない。すると…
「あぁ!ジャックが私の作ったお兄さん壊した〜!」
「壊したー!!ダメじゃん人のもの壊しちゃー!」
「直さないとね!」
「壊れた直すだけ…!」
「うん…そうだね…!」
そう言いアリーとルミーが海斗の背中に近付く。
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「え…なんで…僕が…ぅそ…?」
自分の顔だと気付き腕の流血を必死に止めていた手に力が入らなくなる。
それは当たり前だ。なにせ自分が、海斗(友人)の服を着て片腕をなくし倒れている。
「っふ…っはは…あはは!!」
次第に笑いがこみ上げて着た翠、こんな異常な光景を見ておかしくなるのなんて当然の事だ無理もない。
パシッ…!
翠の頬を強く手のひらで叩いた紫。
一瞬だけ見えた紫の顔は涙目で怒っているように見えた…
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