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魔導機人アルミュナーレ  作者: 凜乃 初
副操縦士編
29/144

4

「えぇえええ! 一度も手紙出したことないの!?」

「あ、ああ」


 驚きの声が食堂に響き、周りの視線が一斉に集まる。

 大声を上げたアンジュは、恥ずかしそうにペコペコと謝りながら席に戻ると、顔を近づけて小声で話しを続けた。


 第三十一アルミュナーレ隊は現在、緩衝地帯の巡回任務を終え整備の為にジャカータへと戻って来ていた。副操縦士である俺には実質の休暇だ。

 同期の連中がいれば遊びにでも行ったかもしれないが、生憎バティスもレオンも今は前線におり、遊ぶ相手もいない。

 結局はいつも通り、自主トレをしながら食堂でアンジュと駄弁り暇を潰す生活だ。町へ出ても特にやることも無いしな。


「なんで一回も出してないの。おじさんもおばさんもきっと心配してるよ?」


 あれから結局、俺は一回も手紙を出していない。たまたまアンジュが近いうちに手紙を出すと言うので、俺のことも適当に書いておいてくれと頼んだのだが、そうしたらこれだ。

 まあ、普通はそうなるわな。


「そうなんだけどな。いざ手紙を前にすると、何を書けばいいか分からなくて眠くなるんだよ。それに、アンジュは定期的に手紙出してるんだろ? なら俺のことも少なからず書いてるだろ」

「そ、それはそうだけど……」


 アンジュが顔を赤らめる。待て、手紙に何を書いてるんだ……


「それなら親父たちにも俺が無事だってことは伝わってるだろ」

「そうかもしれないけど、やっぱり自分の言葉で伝えた方が良いと思うよ? 別に、難しい事書けって言ってるんじゃないし。そうだ、この後空いてるよね?」

「ああ」


 どうせまた自主トレするだけだし。


「じゃあ町に行って手紙買ってこよう。私のと一緒にいつもの商人さんに渡してあげる」

「ええ、めんど――」


 面倒くさいと言おうとしたところで、アンジュに頬を引っ張られた。


「なにふんだよ」

「おばさん心配してると思うよ? ただでさえ操縦士になって、実戦も経験したんだし。それに向こうからは手紙出せないんだから、定期的に出すのは子供の仕事だと思う」

「……わふぁったよ(分かったよ)


 と、言う訳でアンジュと二人で町に行くことになりました。



 通行パスを見せ、町へとゲートをくぐる。

 休暇中ということで、俺達は私服だ。俺は着慣れたズボンとシャツにジャケット。アンジュは、フリルの着いた可愛らしいトップスに涼しげな水色のスカートである。フリルのおかげで、白色でもブラが透けない仕様らしい。


「久しぶりに町に出るな」

「あんまり来ないの?」

「まあな。休暇って基本自主トレだし、町に行っても買う物ないし」

「お給料は出てるんでしょ? エルド君、昔から本とか好きだったじゃん」


 確かに村にいた頃はよく村長の家の本を読ませてもらっていたが、それは字の勉強だったり、この世界のことを知るためで、特に本が好きって訳じゃなかったからな。


「そこまで好きってことは無いぞ。暇だったから読んでただけだし」

「そうだったんだ。じゃあ趣味とか……アルミュナーレに乗ることだもんね」

「そうだな」


 アンジュも途中で言いかけ、気付いたらしい。そう、俺の趣味はロボットの操縦。ある意味、今の仕事が一番趣味を謳歌しているとも言える。


「アンジュは何か趣味あるのか? 村の時はずっと俺に付き添ってたよな?」

「うん、エルド君が好きだからね!」

「お、おう」


 そこまでダイレクトに言われると、まだ返事していない俺が凄い悪いことしている気分になるんですが……てか絶対責めてるよね?


「エルド君が村を出た後は、アカデミーの為にひたすら勉強してたけど、アクセサリー作りはちょっとずつ続けてたかな」

「このアミュレットか」

「あ、まだ持っててくれたんだ」


 俺が胸元からアミュレットを引っ張り出すと、アンジュは嬉しそうに覗き込む。

 三年以上もずっと着けているアミュレットは、時々手入れしているものの、彫刻された物がずいぶんと潰れてきており、歯車は今にも消えそうだ。


「大分薄くなっちゃってるね」

「仕方ないだろ」

「じゃあまた新しいの作ってあげる。この町なら、これよりもっと良い物ができると思うよ?」

「そんな時間あるか?」


 アンジュだってサポートメイドとしての仕事はあるのだ。今日の午後は休暇をもらっているらしいが、普段は食堂や寮で料理や洗濯、掃除の手伝いをしていると聞いている。

 それなら、たまの休暇を潰してまで作ってもらうのは悪い気がするしな。


「大丈夫だよ。アクセサリー系は数十分で出来るし。そうだ! 今から作りに行こうよ! 町にもアクセサリーの自作できるお店もあるから!」

「俺が行ってもやることない気がするんですが」

「何事も経験だよ! 細かい作業が意外と操縦の役に立つかもしれないし」


 アンジュは俺の動かし方を良く理解してるな。そんなことを言われたら、行かざるを得ないじゃないか。


「じゃあ決定! お店はこっちね」


 アンジュに案内されてやって来たのは、大通りから一本入った場所にある小さなアクセサリーショップ。しかしその立地に対して意外と人気なのか、お店の中には客が多い。まあ、全員女性客だけど。

 俺の場違い感凄いな。


「すみません! オリジナル作りたいんですけど」

「いらっしゃいませ。オリジナルですね、ただいま他のお客様が使用中ですので、十分ほど待っていただくことになるのですが、よろしいですか?」

「分かりました」


 店内に並んでいるアクセサリーを見ながら、アンジュからこの店について説明を聞く。

 何でもここは、数種類の金属と土台を自由に選択し組み合わせ、そこに自分の好きな文字や絵を刻むことでオリジナルのペンダントやアミュレットを作るサービスを行っているらしい。

 それが告白したい女性や、婦人たちの間で人気となり、噂が広がって今の人気を維持しているのだとか。

 まさに企業努力だ。

 店内に並んでいるアクセサリーもどれも可愛らしい物が多く、男物は少ない。たぶん、男物は女性たちがオリジナルで作ることが多いから、ここは自分達で使う物を多く置いているのだろう。


「アンジュ様、お待たせしました。部屋が空きましたので、こちらへどうぞ」


 店員に案内され、店の奥へと進む。

 誘導されるまま部屋に入ると、そこには布で何個ものスペースに区切られた工作室のような場所になっていた。

 アンジュと俺は、店員の指示に従い布に囲われた小さなスペースへと入る。入った正面には長机が一つ置かれており、その上に道具が並んでいる。

 店員はそのまま奥へと進み、長机を挟んで座る。


「当店のご利用は初めてでしょうか?」

「はい」

「では、大まかな流れを説明させていただきますね。まず土台となる板を選んでいただきます。基本的には木製で色を決める程度ですが、ご希望であれば金属製の物もご用意できます。次に、文字や絵を描き込む銀板の選択です。これはハート形や星形、宝石型などから選んでいただくことになります。選び終えたら、選んだ銀板をかたどった紙をお渡ししますので、それに文字や絵を記入していただき、うちの魔法使いがその絵に合わせて、銀板に文字や絵を掘り込みます。最後に、宝石やアクセサリーで飾り付けをして終了となります。何か分からないところはございますか?」

「いえ、大丈夫です」


 基本的には選んで絵を描いてお終いらしい。難しいところは全て専門の人がやってくれるから、失敗の可能性も無い。安全にオリジナルが作れるなら、確かに人気になるかもしれない。


「お値段ですが、ベースの板、銀板、掘り込みまでで一律の二千チップとなります。その後、装飾用アクセサリーはそれぞれ値段が付いておりますので、パンフレットをご確認ください」

「はい」

「お隣の彼氏様も一緒にお作りになるということでよろしいですか?」

「あ、俺は彼氏ってわっ!?」

「はい、お願いします」


 彼氏発言を否定しようとしたところで、長机の下で思いっきり足を踏まれた。地味にヒールが痛い……足の甲って鍛えられないからな。今度からはもっと防御力の高い靴を買うことにしよう。


「ではまずベースの板をお選びください」


 店員の案内に従って、俺達はオリジナルアクセサリーを作り始めた。

 三十分程度で板や銀板の選択を終え、用紙に絵と文字を記入するのだが、俺はなるべくシンプルな板と銀板を選択し、字を何にするかで悩んでいた。

 隣のアンジュは、一心不乱に何かを描いているようだ。元から描く物は決まっていたのかな?

 なら俺もそろそろ決めないとな。

 自分用なら、適当に○や☆で魔法陣みたいなのを描いて、中二病心擽る修学旅行のお土産を製作したところだが、アンジュに渡すとなると迂闊なものは作れない。あいつ絶対四六時中つけるだろうし。

 だとすると、俺もアミュレットとしてお守りになりそうな文字や絵を選んだ方が良いよな?

 数分間悩んだ結果、結局俺はアンジュのマークである天使の羽を守るように、盾を描き込んだ。フェイタル王国では、アルミュナーレは時々盾のマークで表されるときもあるから、ある意味俺のマークでもある。これならアンジュも納得してくれるだろう。


「こっちは完成しました」

「私も出来たわ!」


 俺達はほぼ同時に図面を掻き上げ、店員に渡す。店員はそれを笑顔で受け取ると、少々お待ちくださいと言って、部屋から出て行ってしまった。これからあの図面を銀板に掘り込むのだろう。

 アンジュはその間に、宝飾用のアクセサリーを見ている。


「これも可愛いし、こっちのも可愛い。あ、これとかいいかも」

「それ俺が付けるのか?」


 ハートや星マークでごてごてしたアミュレットとか着けたくないぞ。


「大丈夫。エルド君用にはしっかりかっこよくしてあげるから」

「まあ、ほどほどに期待しておくよ」


 数分ほどして戻ってきた店員さんは、その手に俺達が選んだパーツを組み合わせたアミュレットを持っていた。


「こちらが、お客様方の作ったアクセサリーになります。傷等無いかご確認ください」


 俺達はそれぞれに自分の作ったアクセサリーを受け取り、表や裏、自分の描いた絵などを確認する。

 アンジュは満足げにうなずいており、俺の方も傷なども無く、絵もしっかりと移されている。質感を見るに、サンドブラスター的な加工でもしたのだろうか? 土系の魔法ならばできないことも無い気がする。


「私は問題ありません」

「俺の方も大丈夫だ」

「では、最後にアクセサリーのオプションですが、お付けしますか?」

「俺は無しで」


 さすがに、これ以上俺のセンスに期待されても困る。下手に何かつけると、バランス崩壊して酷いできになりそうだし。


「私は少しつけたいです。あ、エルド君は見ないでね」

「あいよ」


 俺が後ろを向いている間に、アンジュはあれとこれととオプションアクセサリーを選び、アミュレットに取り付けて行った。


「エルド君、もういいよ」

「出来たのか?」


 振り返ると、満足げなアンジュが笑みを浮かべている。そしてその手には出来たばかりのアミュレット。すでにシルバーチェーンを通してあり、いつでも付けられる状態だ。

 そのアミュレットをアンジュが見せつけるようにぶら下げた。


「じゃーん! どうかな!?」


 黒のベース板に歯車型の銀板。そこには天使の絵が掘られており、天使は高らかに笛を奏でている。

 オプションアクセサリーで付けたのは、藍色と透明な二つの宝石だ。


「アクアマリンとレインボークリスタルで飾り付けてみたの。どうかな?」

「良いと思うぞ。着けてみてもいいか?」

「うん」


 アミュレットを受け取り、首から下げる。

 前のアミュレットが邪魔になってしまうが、チェーンの長さを変えれば問題ないだろう。

 胸元に輝く新しいアミュレットを見て、アンジュは満足げにうなずいた。


「バッチリだね」

「そうか。んじゃ俺のはお前にな。アンジュほどセンスはよくないが」


 とりあえずこれで我慢してもらおう。

 そう思いながら、俺の作ったアミュレットを渡せば、アンジュもそれを嬉しそうに首に掛ける。


「似合うかな?」

「おう」

「とてもお似合いですよ」

「よかった。ありがとう!」


 店員から手渡された手鏡で、アンジュは自分の首に下がっているアミュレットを見ながら嬉しそうに言った。


「こっちこそな」

「では、どちらも完成ということでよろしいですか?」

「はい、ありがとうございます」

「こちらこそ、良い物を見せていただきましたから」


 店員はそう言ってにっこりと笑う。目の前で安いラブコメ見せられたのに、この対応。まさしくプロである。俺なら多分、ぶん殴ってる。


「ではこちらの用紙を持って、レジの方へお願いします」

「はい」


 代金の書かれた紙をアンジュが受け取ろうとしたところで、俺がそれを横からスッと奪い取る。さすがにねェ、ただでさえ給料余らせてるのに、ここでアンジュに払わせたら、色々言われること間違いないし。てか、たぶん店員からの視線も冷たくなる気がする。


「ここは俺が出すぞ。文句は言わせん」


 アンジュは最初こそ驚いていたが、すぐにありがとうと言って笑顔に戻るのだった。

 会計を済ませ、店を出た俺達は当初の目的である手紙を買いに、町の雑貨屋へとやって来ていた。

 ペンや紙、インクなどが並び、小物からランプ、フライパンまでそろえる何でも屋のような側面がある雑貨屋だが、だからこそラインナップはなかなか良いみたいだ。

 俺はその手紙コーナーでアンジュとどれにするか選んでいた。


「これは?」

「こっちでよくないか?」


 アンジュが選んだのは、青色のラインが入った手紙。俺が選んだのは、普通に真っ白の物だ。

 俺が色々とおしゃれを気にするとかありえないしな。こういうのはアンジュに任せてしまった方が良いかもしれない。


「んじゃそっちにするか。封筒はどうする?」

「青で合わせようか。私はいつもピンクの使ってるし」

「分かりやすくていいな」


 と、いうことでさほど悩むことも無く手紙と封筒を選択し、購入した。


「じゃあ帰って手紙書かないとね!」

「おう……それがあった……」


 なんだか手紙を買っただけでもう十分な気がしていたが、手紙は書かないといけないんだよな……


「なんて書くかなぁ」

「とりあえず今まで手紙出さなかったこと謝れば? それで、元気ですって書いて、今までにどんなことをしてきたか書くの。エルド君なら、色々やって来たでしょ? 噂いっぱいあるし」

「まあ、無い事は無い」


 食堂の大食いバトルとか、深夜の肝試しとか、ハンガーへの不法侵入とか。

 そう考えると、色々やってるな……完全に学生だわ、これ。

 書く内容を思い浮かべながら、アカデミー時代のことを思い出していると、遠くから鐘の音が聞こえてきた。


「あれ? もうそんな時間?」


 この鐘は基地に設置された物だ。基本的には、起床や食事、休憩やゲートの閉鎖などを告げるために使われている物である。

 しかし、今はまだ日も高く、ゲートが締まる時間までにはまだあるはずだ。

 何かがおかしい。そう感じて、鐘の音をしっかりと聞く。

 カカーンカーン、カカーンカーン、カカーンカーン

 連続で二度打った後に、もう一度打って一拍。これを連続は確か――!?


「非常招集!?」

「え? これって」

「緊急事態の総員招集命令だ! 急いで戻るぞ」

「分かった!」


 この音が鳴らされることは、よほどのことでない限り無いと聞いている。なら、そのよほどのことが起きていると言うことだ。

 ならば、アルミュナーレ隊のメンバーはできるだけ早く集まらなくてはいけない。緊急出動の可能性もある。


「アクティブウィング、クアドラプル・インストレーション。オープン! エアロスラスター!」

「フレアブースター、クアドラプル・インストレーション。オープン!」


 俺達は即座に魔法を発動させ、屋根の上を使って最速で基地へと戻っていった。



 エルド達がアミュレットを完成させた頃、基地の指令施設に一人の兵士が飛び込んできた。


「き、緊急伝令!」

「どうした」


 ボロボロの兵士の様子に、ただ事では無い事を一目で感じ取ったジャカータ総司令サム・ソロモンは日課のトレーニングを止め、部下に隊長クラス以上の者に対し招集命令を出しながら、その兵士の下へと近づく。


「オーバード帝国の大規模進軍です!」

「なんだと!? 部隊の規模は! 前線の連中はどうなっている!」

「確認出来ているだけでも、敵性アルミュナーレは十二機。六機ずつがβブロックの林道を通過し砦を攻撃中! こちらはサルサ、ソーレ両砦にいた二機ずつが応戦していますが、いつまで耐えられるか分かりません! もしかするとすでに」

「ええい、隠密部隊は何をやっていたのだ! 敵の前線は七機しかいないはずだろうが!」


 帝国内に潜伏している隠密からの情報との違いにいら立ちながら、モーリスはテーブルの上に地図を広げ、素早く針を刺していく。

 その間にも、この砦に待機しているアルミュナーレ隊の隊長たちや、基地の士官たちが集まってきた。


「大規模侵攻だ! 敵機の数は確認されているだけで十二。すでにサルサ、ソーレが戦闘に入っている。全軍に非常招集をかけ、アルミュナーレ隊は出撃準備が出来たものから出すぞ! 今出せるものは何機ある!?」

「すぐに出せるものは三機。整備中ですが、組み立てれば動かせられるものが二機です」

「巡回組は!?」

「この時間だと、全機緩衝地帯の中です。何事も無ければ、砦への救援に動いているものかと」

「チッ」


 部下の情報に思わず舌打ちが出る。

 何事も無いはずがないのだ。相手は十二機のアルミュナーレ部隊。そんな部隊が緩衝地帯を通って見つからないはずがない。ならば、最低でも一部隊は情報の共有を行う前に潰されていると考えるべきである。


「なら待機中の三機は、残りの二機が完成した時点で出撃。目標はサルサ砦だ」

「ソーレはいかがしますか?」

「緩衝地帯の連中が向かうとすればソーレだ。挟撃になれば数は不利でも多少は時間を稼げる。その間に、サルサの敵を殲滅し、ソーレへと向かう」

「了解!」


 だがこれは分の悪い賭けでもあった。もしソーレ砦がすでに陥落していれば、砦を落としたアルミュナーレ達が一気に国内へと進軍してくることになる。そうなれば、ジャカータへ続く間にある町は全て破壊と略奪に曝されるだろう。


「国土を守り抜くぞ! 卑劣な帝国などに、俺の守る国を踏み荒らさせはせん! アルミュナーレ達は総員、出撃準備! 整備員たちにはアルミュナーレの完成を最優先にさせろ! 連絡隊は、王都とフォートランへ連絡。増援と支援物資を要請しろ! 速度を最優先だ! 非戦闘員は、半分は補給の荷造り、残りの半分は炊き出しだ。人員分けは俺のサポートメイドに任せる! 医療班は怪我人の受け入れ準備! これより作戦司令室を第一会議室に移し、総指揮は俺が取る。分かったら行け!」

『ハッ!』


 命令に従って、司令室に集まっていた隊長や士官たちが一斉に動き出す。



 突然に訪れた、帝国の大規模侵攻。それは、集まった雫が川となり流れ始めた証拠なのかもしれない。


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