それ、綺麗でしょう?
「それ、綺麗でしょう?」
彼女は言った。「そうだね、綺麗だ」
僕が手に持つ硝子のコップは角度を変えると色を変えた。彼女がゆっくり手を伸ばし、僕の腕を掴んだ。「腕、また細くなったんじゃない?」彼女の健康そうな腕と僕の腕を比べる。確かに、不健康そうな色をしている。すぐにでも折れそうだ。「…そうかな?」「しっかりして頂戴」少し怒った顔でそう言った。
綺麗だなぁ、と思った。周りがこう、きらきらして見えた。アンティーク調の彼女の部屋を見渡し少しくもった窓に近寄る。先程まで雨が降ってたせいか、やけに道が眩しい。「今日はなんだか気持ちがいいよ。」なんだか清々しい気分だった。「あらそうかしら?それは良かったわ」彼女がティーカップを2つ持ってきた。使い古しているのか、金色の取っ手は妙に錆びた色をしている。「お茶、いる?」「…貰おうかな」僕は赤茶色の椅子に腰掛けた。ティーカップを手に取り、口をつけた。彼女は笑う。「貴方って、本当綺麗」
初めて書きました。
綺麗な描写が上手くまとまらず悪戦苦闘しながら仕上げました。