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私の弟が妹になってしまいました。

私の弟が妹になってしまいました。おしまい。

作者: 白い花びら

 コンコン。


 「・・・」


 コンコンコン


 「・・・」


 ゴンゴン ゴンゴン ゴンゴ

 がちゃ。


 「なに!!?」


 「おじゃまします。」


 



 はっ。なんで当たり前に一緒にベッドに座ってるのよ、あたし。

 今、1人になりたいの!

 卯月の顔なんか見たくないんだったら!


 「うづ」

 「俺は俺でなくなりたい。」

 えっ?

 「俺は時任の家族とは血のつながりがない。」

 ええっ!!?

 「弥生の弟じゃないんだ。」

 ええええっ!!!!?

 ちょ、ちょっと待って!落ち着いて、あたし。ゆっくり深呼吸、すー、はー。

 

 「卯月何言ってんの?あたしとあんたは双子の兄弟で、死んじゃった母さんがお腹を痛めて産んでくれたのよ!赤ちゃんのときの写真はないけど、それは引っ越しのときになくしちゃっただけで。」

 「うち、引っ越ししたことないよね。結婚したときに建てたって父さん良く自慢してるでしょ。」

 「そうそう、母さんにプロポーズする前に建てたから、ふられたら1人で住まなくちゃいけなかったって笑い話で・・・。あっ、ほんとだ。なんで?」

 「・・・。今まで信じてた弥生の方が心配だよ。それで、ごまかせると思った父さんも。やっぱり親子だね。」

 「だけど、本当に写真なくしちゃった言い訳に嘘ついただけかもしれないし」


 「弥生はO型だよね。」

 「うん!おおらかなO型!」

 「俺はAB型。」

 「双子だからって血液型が同じだとは」

 「ちなみに父さんもO型。O型の子どもはAB型は産まれない。」

 「そこは母さんの何かの力で」

 「無理だから。」

 「・・・」


 「気がつかなかったことにして、ずっといつまでも家族でいようと思ってた。」

 「そうだよ!そうしよう!あたし、今の話聞かなかったことにするから」

 「葉月がいるから、だめなんだ!」

 「なんで葉月?葉月は気がつかないよ。大丈夫だって。」

 「知ってるよ。」

 ベランダから顔を出す葉月。


 「葉月!!あんた、いつの間に! あ、そうだ!あんたも知らないことにしてよ!そしたら今まで通り」

 「だめなんだ!」

 「卯月。そんなのわかんないじゃない。ね、葉月出来るよね!』

 「うーん。なんていうか」

 「弥生。俺はこの世界の人間じゃない」


 ぽかーん。

 

 「卯月〜。弥生もう容量オーバーだぜ。続きは少し時間を置いてさ。」


 ぽかーん。


 「そうだな。弥生には理解出来なかったようだ。だが時間があまりない。」


 はっ。ほうけてる場合じゃない!


 「卯月!どういうこと?この世界じゃなかったらどこの世界の人間なのよ!あたしにもわかるようにちゃんとせつめいしなさい!」


 葉月が急に真面目な顔つきになってひざまづいた。

 偉い人に頭を下げるみたいにゆっくり頭を下げる。


 「わたくしから説明いたしましょう。」

 「葉月!ふざけてないで」

 「私達は異世界の住人でございます。国王に王子が産まれるとすぐに異世界に流され、18年間その世界でいろいろなことを学びます。

 殿下は産まれてすぐにこの世界に流されました。

 丁度、弥生様が病院で生まれ母上様とこの家に帰る日に殿下が流れ着いたのがこの家の庭でございます。

 時任様ご夫妻は殿下を弥生様の双子として育ててくださったのです。」

 「そんなこと、信じられるわけないじゃない。」

 「私たちも陰ひなたに殿下をお守りするためこの世界に渡って参りました。殿下と年を同じくした子どもを連れて。私の名前が葉月なのは弥生様卯月様と名付けたご両親と親しくなるためと聞いています。」

 「はあ?なにそれ?葉月の名前そんな簡単に決めるなんて!!ちょっと葉月!親呼んできなさい!!」

 「弥生。変なことにこだわるな。」

 「変なことじゃないし。葉月はあたしの大切な弟なのよ!」

 「弟って・・・。うん、そうだよな。わかってたさ。うん。」

 「おい、葉月、そんなところでへこむな!うっとおしい!!」

 「はい、殿下。申し訳ありません。そういう事情なのであります。弥生様。」


 はっ!!そういうことは!

 「わかったわ!卯月の気持ち!よおおおくわかった!」

 「・・・」

 「なんか、嫌な予感・・・」

 「お姉ちゃんと離ればなれになりたくないのね!男じゃなくなれば帰らなくてすむとか、そういうやつでしょ?」

 「いや、そういうわけにはいかな」

 「葉月はだまってて!よし、お姉ちゃんも手伝うわ!やっぱりあたしの卯月だった。何考えてるのか全然わからないとか気持ち悪いとか怖いとか近寄らないでとか思ってごめんね。これからもずうっと一緒だからね。

 まずは病院ね。大丈夫、腕のいい外科医みつけるから。ちょこっとちょん切ってもらおうね。」

 るん、るん。

 電話帳にのってるかなあ。



 「・・・」

 「・・・」



 私の弟が本当に妹になってしまうのかは、神のみぞ知る  

 

 

 続きを読みたいと言ってくださったのが嬉しくて大急ぎで書き上げました。

 勢いのみで書いていますので、作者の悪のりをお許しください。

 あえて書きませんでしたが、想像通り葉月は弥生が好きです。卯月の気持ちは複雑なのですが、やはり弥生ラブということで。

 女になっても異世界帰還はやめられません。でも、王位継承からは外れることができます。

 お馬鹿な弥生ちゃんは異世界に連れて行かれてしまうのでしょうか?

 どんなところでも彼女なら楽しく生きられそうですね。

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― 新着の感想 ―
[一言] 葉月くん、お気に入りでーす♪ 部屋に弥生ちゃんがくるってワタワタするとこは超可愛かったです。 まさかの異世界人で、しかも、恐い女装人のうっちゃんに虐げられるなんて 素晴らしいシチュエーション…
[良い点] やべぇ、面白いわ・・・ [一言] 他作品のコメントから移動してきたら面白い作品に出会えました^^ おしまいって事はもう続きは出ないんでしょうけど、残念です・・・ 異世界編とかでませんか?
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