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ギルド



 なんか暑苦しい……へ?


 朝目を覚ますと、俺とキャシーの寝ていたベッドにホシコもスーラも潜り込んでいた。なんで一つのベッドに四人も集まってんだよ……って、まぁ良いか。ホシコもスーラも可愛い寝顔をしているしな……いや、スライムの寝顔ってなんだよ。まだ寝ぼけているみたいだな、俺。


チュウチュウ


 キャシーさんは既に起きていた。そして俺の敏感なポイントを吸っていらっしゃる。

 やめてくれ、朝から刺激が強すぎる。







 「今日はギルドに行こうと思う」

 「ギルドって何っすかマスター」

 「冒険者たちに様々な依頼や仕事を斡旋してくれる組合のことだ。危険なことも多いが戦う力があるなら手っ取り早く金が稼げる。もちろん戦闘が伴わない簡単な依頼もある」

 「なるほど……分かったっす。金が無けりゃ生きていけないっすね」

 「その通り、よく理解しているな。ホシコは優秀だ」

 「あ、ありがとうっす。にへら」


 てことで今日はギルドに行く。登録するだけでも何処のギルドでもすぐに仕事が受けられるようになるので損はない。

 昨日は十分リラックスできたし体も軽い。







 朝食をとってから適当に準備を済ませ、みんなで宿を出た。

 キャシーは相変わらずエッチな恰好なので俺がマントで隠しながら歩いている。なんか女を侍らせているチャラい男のような風体になってしまっているな。


 途中で道を尋ねた人によるとこの辺にギルドがあるらしいが……。


 「お、見えたぞ。たぶんあの立派な建物がギルドだ」

 「おおー、でっかいっすね」


 一際大きい三階建てほどの建物が見えた。恐らくあれがギルドだろう。

 早速、中に入ってみる。


 「うわっ……熱気がすごいな」

 「怖そうな人たちがいっぱいっすね」


 確かに冒険者らしき人たちが大量にいる。屈強な戦士とか柄の悪そうな兄ちゃんとかムキムキの女性とか、獣っぽいのとか人外っぽいのも。

 ただ一階なので大部分が初心者だろう。


 ギルドは階によってランクが変わり一階は初心者、二階が中級者、三階が上級者の使用する場所だと指定されていたはず。

 で、ランクというのは依頼の達成状況や試験の結果によって個人にギルドランクというものが定められるシステムのことで、最初はFランクから始まり次第にE、D、C、B、Aと昇格していき、さらに最終的にはS、SS、SSSとなる冒険者や戦士としての強さや位の高さを示すことができる共通の認識であるものって感じだった。ネトゲ時代と変わってないのならだけど。

 俺は何とか頑張ってAランクまで行ったけど、そこからSに辿り着くまでの道のりがそれまでの比じゃなくて途中で断念した記憶がある。


 まぁとりあえずギルドに登録を済ませないと始まらないので受付に……お、あそこが空いてるな。

 いくつか横に並んだ受付カウンターの中で一つ空いている場所があった。


 「すいません。ギルドに登録をしたいのですが」

 「では必要な書類に記入を」


サッ


 はやっ!! 機械かってぐらいに完璧な事務的対応。

 面倒なコミュニケーションをとらなくて良いから俺は逆に嬉しいけども。


 じゃあ素早く終わらせちゃいますかね。

 まずはえーっと……名前、青空大志っと。お次は年齢、二十歳。んで次は……種族か。魔人だって正直に書いて良いのか? 個体数は余り多くないって説明に記述されていたし悪魔と人間の混血種なんていかにも迫害の対象になりそうなんだが。ネトゲ時代には普通に人間でプレイしてたし、そこらへんの事情がいまいち把握できてないんだよな。NPCとか敵とかでも見かけなかったし……けど、だからと言って嘘を記入してバレるのかどうか。ちょっと苦しいけど“人”って書いておいて何か指摘されたら“魔”を書き忘れましたとかで誤魔化そう。

 さて次はこれね、お次はこれ、次は……。


 よし、個人的な部分は大方書き終えた……が、また問題が。

 スーラは俺の使役している魔物、キャシーもそう登録しておけば良い。じゃあホシコはどうなんだ? 魔物ではないけど人……かな?

 また同じ手口になっちゃうけど“人”として俺みたいに登録しておいて何か言われたら“宇宙”を書き忘れましたで押し切ろう。まぁホシコはこの世界で唯一の存在だし何なのか確かめる術はないよな。宇宙人なんて書いたほうがややこしくなりそうだし。

 と言うことでホシコの分も書類貰うか。







 なんだかんだと悩みながら書いていたら結構時間かかった。けど一応問題なく受諾されたので一安心だ。


 「では次に魔力登録をして頂きます」

 「あ、はい」

 「こちらのプレートに触れて下さい」


 俺とホシコが手のひらサイズのプレートに触れるとほんのり光が発生した。


 「これで終了ですのでギルドカードが発行されるまで数分お待ちください」


 ふぅ……登録だけでも案外面倒だな。俺が特殊な生い立ちで勝手に悩んだだけかもしれないけど。


 「登録が完了しました。こちらがギルドカードになります」


 はやっ!! さすが手際がよろしいですね。


 「ギルドに関する説明はこちらのガイドブックを。分からないことは職員にご相談下さい」

 「あ、ありがとうございました」


 気を使わないで良いのか逆に使っちゃうのか何とも言えない雰囲気。主張はしてないんだけど独特な個性のある人だったな。

 姿と話し方からクールで知的な美人秘書って雰囲気が出てた。


 「これでホシコも冒険者っすね。マスターとお揃いっす」キランッ


 ホシコがプレートでできたギルドカードを光に当てて煌めかせながら満足げに微笑んでいる。


 「そうだな。じゃあ早速、冒険者になって初の依頼を受けに行こうか」

 「了解っす」


 一階にはF、E、Dランク向けの依頼情報がそれぞれの掲示板に貼り付けられている。俺たちは勿論Fランク向けの掲示板を見に行く。


 「収集系、探索系、討伐系……色々あるな。比較的報酬が高いのは討伐系の依頼か」

 「ホシコなら何でも大丈夫っすよ」

 「そうだな、街に着くまでにも戦ってきたしFランク相当の魔物なら問題は無さそうな感じだ」

 「おう、初心者のわりには威勢が良いな」

 「うわおっ!!」


 声を掛けられたので後ろを振り向くと熊だ。熊がいた。

 黒い毛を全身に生やしていて口や胸の辺りが白。武骨な鎧を纏い、大きなハンマーを背負った二足歩行の熊の戦士という感じの人だ。てか熊だ。

 別に他にも人間じゃないのはいるけど、急に目の前に現れるとやっぱ驚いちゃうね。


 「そんなに驚くなよ。子供じゃあるまいし」

 「いや、すみません。俺の住んでた地方には余り見かけない種族でしたので」

 「ってことはお前さん旅してきたのか。ならFランクの任務じゃ物足りないかもな」

 「あーでも初心者には変わりないですから」

 「良い心掛けだな。少し経験があると低ランクの依頼で手え抜いて、挙句の果て簡単なミスで大けがを負う奴もいるからな」

 「そうですよね。それで……どちら様でしょうか?」

 「おお、すまんすまん。俺はベン。Dランクの冒険者だ」

 「ベンさんですね。俺は今日登録したばっかりの青空大志です」

 「タイシ、か。まぁそれで俺がタイシに声を掛けた理由だが、最近この付近にハーピーの三姉妹が出没するらしくてな、初心者はこの辺での依頼が多いから被害が絶えないそうだ。で、俺や他の先輩冒険者が事情を知らない奴らに注意を呼び掛けていると、そんな訳だ」


 ハーピーか。確かにこの辺で出くわした魔物たちと比べたらワンランク上だろうし三姉妹となると厄介だよな。事情を知らない初心者の冒険者が被害にあってしまうのも分かる。


 「そうなんですか。わざわざすみません、助かります」

 「いや、大したことじゃない。同じ冒険者同士、良きライバルであり良き仲間だと思ってるからな。それはさておき、さっきから気になってたんだが……そいつらはタイシの仲間か?」

 「ああ、紹介しますね。こいつはホシコでこっちがキャシー、そしてスーラ。みんな俺の仲間です」

 「ほ、ホシコっす。よよろしくっす」


 ベンさん体大きいからな。小さいホシコから見たら怖いだろう。スーラも少しプルプルしてるような……それはいつもか。


 「すまんなホシコちゃん。おじさん怖いよな」

 「だ、大丈夫っす。毛がフサフサで可愛いっす」

 「か、可愛いか。そうかそうか、良い子だなホシコちゃんは」


ガブガブ


 キャシーが退屈してきたのか噛み付きを強めてきた。


 「その……どうも気を引くパーティーだと思って実は入ってきた時から目で追ってたんだがな、噛み付いてるのは大丈夫なのか? それが一番気になってたんだ」

 「はい、防御に関しては自信があるので。それにキャシーは攻撃してるんじゃなくて俺のことがお気に入りの玩具で、じゃれてるみたいな感じですね。初めて会ったときに比べれば親しくなれてる気はします」

 「お、おう。しかし魔物の調教の仕方としては珍しいな。好きにさせてるなんてのは」

 「まぁ出来る限り仲間として一緒にいたいですからね」

 「うん、そういうのは俺好みだな」


 「おーい、ベン。依頼に向かおうぜ」


 「分かった。仲間が呼んでるから俺は行くな、頑張れよタイシ」

 「はい。お世話になりました」


 ベンさん頼りになる先輩っぽくて良い人だな。

 そして、ハーピーね。しかも三姉妹ときたら……興味をそそられますよね。

 けど一気に三体仲間にしたとして全員分の生活費を確保できるのかが問題だな。今だと普通に依頼こなして倒した魔物も売ったりしてれば一般的な暮らしは送れるが、三体増えてしかもハーピーだとちょっとキツイかもしれん。ハーピーは食欲旺盛だし遠慮を知らないし……いや、何とかなるだろ。金稼ぐ方法はいくらでもある。

 急がないと他の冒険者たちが倒しちゃうだろうし悩んでる暇はない。この辺じゃ新たにハーピーを見つけるのは大変そうだし。


 「ホシコ、ハーピーをスカウトしに行くぞ」

 「え? またっすか? マスターの意見は尊重するっすけど金銭面とか色々な管理が大変そうっすよ」

 「う、うん……俺が何とかするから安心しろ。やらずに後悔するよりやって後悔だ。転生前の何もなかった人生で俺が唯一学んだことだ」

 「そうっすか……分かったっす。ついてくっすよマスター」

 「ありがとうホシコ」


 依頼のついでに行こう。てことでまず何の依頼を受けるか……。



やっぱり何も考えずに書いてるとゴチャゴチャして上手く話が進まないですね。逆に考えすぎても中々進まないし。物語を作るのって本当に難しいな。

もっと書きたいアイディアはいっぱいあるのに話として組み込もうとすると全然うまくいかない。

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