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ガブガブ

ガリガリ


 ゾンビ娘がずっと俺の体中を噛み続けているが、この程度では俺の防御は破れぬな。フフフ……。


 それよりも問題なのはゾンビ娘の姿だ。

 肌は青白く瞳は白みを帯び、少しクマが目立つ。しかし、顔はとても整っていて美人で黒の混じった深みのある青の長髪をツインテールにしている。ここまでは問題ない。ただお綺麗な方というだけだ。

 ご褒美……いや問題なのは、その細身でありながら女性らしい丸みと柔らかさも失わずに併せ持ったナイスバディを惜し気もなく披露して下さっていること。

 一応衣類は身に着けているが、下着だ。丈の長いブラジャー型のビスチェと呼ばれている下着とレースのパンツ、ストッキングのみ。ストッキングはビスチェに付いているガーター紐で留めている。どれも色は黒。


 ……エロ過ぎる。

 チラリズムも恥じらう姿もなくモロ見せなので風情はないが、童貞の俺にとってはダイヤよりも価値のある宝物。

 さらには、そんなエロ美人が熱い抱擁と噛み付きをプレゼントフォーユーしてくれている……幸せだ。

 少し表情は怖いですが。


 「マスターにやけてるっす。エッチっすね」

 「ああ、俺はエッティだ。子供には刺激が強いだろうが我慢してくれ」

 「こ、子供じゃないっす!! ホシコはマスターより長生きっす」

 「うん?」


 恐ろしい事実が飛び出してきた気がしないでもないが、今はこの幸せを堪能するべし。

 ……いやいや、このゾンビ娘を懐柔する方法を模索しなくては。


 とは言うものの、多少の知能はあるそうだが交渉が通じる感じでもないし……俺お得意の忍耐力にものを言わせて時間をかけ懐柔するスライムのときと同じ手段を用いるのが得策か。

 こうして抱き合っているのは個人的に大歓迎ですし苦痛なんて感じませんし。


 ここの住人が帰ってくるまで部屋を使わせてもらっちゃおう。







 何だかんだして一日が経過した。

 相も変わらずゾンビ娘は俺の体を激しく求めてくる。ホシコやスライムはお互いに仲良くなったようで二人で遊んでいる。

 女性と一日中抱き合っていられるこの幸せよ……素晴らしい。







 さらに二日が経過した。

 ゾンビ娘は噛む力に強弱をつけるようになった。ガブガブやハムハムなどを分けて使ってくる。

 ホシコ、スライムは飽きてきたようで洞窟内を探索すると言って出て行った。この状態ではまともに動けないので俺は留守番だ。この辺なら二人でも大丈夫だろう。危険を感じたらすぐ逃げて戻ってくるように、遠くまで行きすぎないように注意もしておいた。


 ちょっと体勢がキツくなってきたかも。抱き着きのせいで体の自由が利きにくい。


 ここの住人は未だ姿を見せず。







 ……もう洞窟に入ってから一週間だ。

 ゾンビ娘はガジガジ、ハムハム、ペロペロ、チュパチュパ、サワサワ、ネチョネチョを覚えた。目覚ましい進歩だ。

き、気持ちいい……。


 「き、キャシー。もう少し初心者向けのプレイにしてくれ」


 『キャシー』と言うのはゾンビ娘の名前だ。勝手につけた。

 ついでじゃないがスライムの名前も考えた。『スーラ』だ。安直かと思ったがスーラ自身が気に入ってくれたようだったので決定した。


 「マスター、もう食料ないっすよ。そろそろ出ましょうっす」

 「い、いや少し、もう少しだけ待ってくれ。ここで焦っては駄目だ。童貞は余裕がなくてつい先走ってしまうことがあるが、状況をしっかりと見極めて分析し冷静な判断を心掛けるのが大切だ。勢いに任せて行っちゃう無鉄砲さも経験が乏しく未熟なところも童貞ならではのエネルギー源とも言えるが、ここは落ち着いて対処しなければならない場面だ。最後まで手を抜かない」

 「何か誰に向けての発言か分からないっすよ」

 「自らへの戒めだ」

 「己への厳しさも忘れない、その心意気かっけーっす…………カッコイイっす??」

 「スーラもあと少し辛抱してくれ」


プルンッ


 スーラは特に不満がないみたいだな。食料も魔物があるし、飽きるとか暇とかそういった類の感情はあまり持ったことないのかもしれない。


 「ペロペロ……」

 「ああっ……か、快楽とは痛みよりも耐え難いものだったのか。キャシーの舌技はプロ級だ……」


 キャシーは俺の味が気に入ったようだ。

食料としてでも玩具としてでも親しみを持ってくれるなら何だって良い。最終的に仲間になってくれるのであればな。


 しかしまあ、確かに食料もほぼ尽きたし動き始めないとヤバいな。仕方ない。


 「ホシコ、スーラ。明日洞窟を出る」

 「おお、やっとっすね。了解っす」







 そして翌朝。

 部屋を出て洞窟の出口へ向かう。


 「結局ここに住んでた人は帰って来なかったな。もしかして、死んでゾンビになってるとかないよな」

 「あるかもっすね。ここには魔物もいるっすから」


 ま、そんな弱い人がこんな場所に住まないとは思うが。


ガブガブ


 キャシーは俺に夢中なのかガッチリホールドして離れない。動きにくいけどちゃんと一緒に来てくれるだけ良いか。この数日間で俺にすっかり馴染んでくれたみたいだな。







 俺がキャシーの抱き着きで戦えない状態なため、魔物はホシコに任せた。何かお礼をしないとな。

 そして……。


 「久しぶりの日光だぁ……」

 「眩しいっす」

 「ギャウゥ……」

 「あれ、キャシーは眩しいの嫌いか? まぁ洞窟にいたんだから暗いほうが好きか」


 さて、予想外の長期滞在になってしまったが(俺のせい)、とにかく人里へ辿り着かねば。もっと文化的な生活を……。



 しかし、洞窟のもっと奥もまだまだ探索したかったな。宝とか見つけられなかったし…………いや、一つ大きな宝を見つけたではないか。“キャシーというエロ美人”を。


 色々と落ち着いたら準備をしっかりしてまた来よう。







 洞窟を背に――俺たちは再び歩き出す。







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