エピソード4:初戦
序章
神々への復讐という過酷な運命を背負った少年、ラクン。ついに彼は、仲間たちと共に「神の知識」が眠るトート島への旅路に出る。だがその道は、神を崇める組織「ガーディアン」によって厳しく封鎖されていた。仲間たちとの絆、未知なる敵、そして初めての死闘──。
これは、世界の真理に迫る者たちの、第一歩である。
広がる大海原を、感慨深く見つめていた。船を囲む海は、果てしなく続いているようだったんだ。
そんな時――
「ねえ、キャプテン。これからどこに行くの?」
中村明子の声がした。
「え? どこって…?そんなの、わからないよ。俺、これが初めて島を出るんだから」
俺は戸惑いながらそう答えた。
アキコはくすりと笑って、こう言った。
「冗談よ。からかっただけ」
そこに鈴木涼太が口を開いた。
「神を倒すなんて高潔な目的だ。でも、どうやって見つける?彼らは異世界にいて、現れる場所も時間も予測できないんだぜ」
「確かに…そんなこと、考えたこともなかった」
俺は深く頷いた。
その時、渡辺さくらが口を開いた。
「私、アイデアある!Tōto Islandに行こう!」
「Tōto Island?それってどこ?」
「神についての最大の知識が集まってる場所よ。そこの島には、そのために命を捧げた修道士や研究者たちが住んでるの」
リョウタが補足した。
「公共でも行ける、ただ資金があれば」
アキコが現実的な問題を指摘する。
「でも、島までは何千キロも離れているし、道中はガーディアンズがいる首都を通らなきゃいけない。危険な旅になるわ」
「ハハハ!それでも楽しい旅になりそうじゃないか!」
ヒロシははしゃいだ。
「そう楽観的に言わないで…疲れる旅になるよ」
タケシはため息まじりに警告した。
リョウタが不安を口にした。
「この世代のガーディアンズは強いし、他のネメシスも容赦ない。危険は山積みだ」
俺は少し離れて考えていた――友情と復讐の間に、彼らを巻き込むのは果たして正しいのか。
その時、アキコが静かに口を開いた。
「船長の判断を尊重しましょう。だって、彼はうちの船のキャプテンでしょ?」
皆の視線が俺に集まった。
「――わかった。Tōto Islandへ行こう」
アキコは深く頷き、リョウタの異議も一瞥で封じた。
「その前に、水と食料…あと衣服も必要ね」
「服も必要?」
「だって、ずっと服のまま戦うつもりじゃないでしょう?」
アキコはふふっと笑った。
こうして、俺たちはミロ島へ向かい、そこで補給と衣服を手に入れた。サクラは到着早々、大はしゃぎで宙を飛び回っていた。
「やめて!」
アキコのひと声で彼女は固まり、床に落ちた。
「また無駄に浮遊したら、1週間犬に変えるわよ」
ユキは不在で、残りのメンバーで買い物を済ませた。
その頃――ガーディアンズの一団が俺たちを監視していた。日向という女は「Nemesis’s Gate」を取り出し、各々のデータを確認している。
中村明子:22歳、女性、副船長、神傷:支配、脅威度:はるかに上
渡辺さくら:22歳、女性、乗組員、神傷:飛行、脅威度:低
田中浩史:19歳、男性、乗組員、神傷:変身、脅威度:中
佐藤武:35歳、男性、副船長、神傷:背面支援、脅威度:高
鈴木涼太:27歳、男性、乗組員、神傷:分身、脅威度:中
日向はヘッドセットで司令部と連絡を取り、指示を受けたがソーマという仲間だけが反発し行動を起こした。
ソーマはアキコに奇襲を仕掛けたが――彼女は既に察知していた。
その一言で、ソーマの動きは止まり、アキコは優しく質問を重ねながら真意を引き出した。
その様子に日向とカナも戸惑い、カナは仲間という思いで助けに入る。
カナは現れ、霧を放ち――
「仲間が通報された!ラクン、あと7分だ!急げ!」とアキコが叫ぶ。
「俺がやる。俺が船長だからな」
必死の覚悟で俺は応じた。
「その自信…本当に7分で決着つけられると思ってるの?」
「船長なんだ。やるしかない」
つづく…