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ネメシス  作者: Kuroyami
3/4

— エピソード3:出航

この第3話では、主人公が「仲間」と出会い、共に旅立つ決意を固めます。修行を経て新たな力の目覚めも。いよいよ物語は海を越え、次のステージへと動き出します。

本文 — エピソード3:出航

仲間たちと挨拶を交わしたあと、俺はアキコに頼んだ。


「俺の神傷しんしょうの力の出し方、教えてくれないか?」


アキコは少し考えてから答えた。


「…いいわ。ただ一つ条件がある。」


「どんな条件?」


「ここを出るとき、あなたも私たちと一緒に来ること。」


その提案に部屋はざわついた。


「なんでそうするの、アキコ?」とリョウタが不安げに言い。


「ええ、そう思うわ、ヒロシ?」とユキも半分寝ぼけながら問う。


「俺は別に反対じゃない。決めるのはアキコだ」とタケシ。


アキコは黙って俺を見つめた。


「わかった。俺、ここで一人でいるより…」


「完璧よ。訓練を始めましょう。」


「え?もう始めるの?」


「準備はいい?始めよう。」


こうして、俺の訓練が始まった。


「相手はサクラよ。」とアキコ。


「え?なんで…?俺の方が強いはずなのに!」


サクラは軽く笑って言った。


「一度でも私に勝てれば、アキコかタケシと訓練してもいいわ。」


「承知した。」


「準備いい?GO!」


サクラが飛びかかる。プラスチックの短剣であっても鋭い。数分の戦いで、俺は一度も彼女に触れることすらできなかった。10回の挑戦で全敗。


「どう?まだ勝てると思ってる?」


俺は叫んだ。


「再挑戦!」


そこから20回目の挑戦で、変化が訪れた。サクラの一撃を受け止めた瞬間、体中に異常な力が走る。ライノ(サイの霊)の声が聞こえた。


「任せろ、本能のまま動け。」


迷わず拳を振るった。人間離れした一撃。サクラは壁に激しく叩きつけられた。驚愕と恐怖の表情。


「君の力は…超強力な“スーパーフォース”だ。さすがライノ由来の神傷ね。では次はタケシよ。」


「了解。」


タケシに飛びかかり、全力で拳を浴びせた。しかし、彼の反撃は更に強烈で、俺は意識を失った。


翌朝、目を覚ます。


「昨日は何が起きた?」


教えられたのは、俺が自分の力を使いすぎて倒れたということ。アキコはペースを少し落としてくれると決めたらしい。


三か月が過ぎた。訓練は終わり、出航の時が来た。


船とともに積み込んだのは、食料や資材。全て準備が整った。


アキコは船長室に俺を呼んだ。


「ここ、何するところ?」


「アキコ、君が船長じゃないの?」


アキコは笑った。


「違うわ。ユキが船長よ。」


「えっ?!」


「うん。ユキは怠け者だから、私が手伝ってただけ。」


「じゃあ、船長は?」


「ユキが辞めたから、今はあなたが船長。誇りを持ちなさい。」


「ほんとに?俺が?」


「心配しないで。誰か不満があるなら、私が相手になるわ。」


船は島を離れ、水平線が広がる。


俺は心に誓った。


かつての両親と村のために。

すべての神を倒すために。


この――

アキコたちと共に行く旅が、始まった。


つづく…

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