めざめる【物】
アルシアは逃げる、脱兎の如く逃げる
持って来ていた荷物もいつの間にか捨てていた、そんな事どうだって良い。
逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ
顔がぐしゃぐしゃになっても、必死に逃げる、今までに無い程に……
何分、何時間逃げたのだろう……
もう追ってこないと思って少し立ち止まる、でもスグに地響きが聞こえる。
もうダメだ何も考えられない、ここまで走ってきて何度も転んだし、枝や草に引っかかって服も穴だらけ。
地響きがだんだん大きくなってくる、
隠れなきゃ!辺りを見渡し、不自然に空いた洞窟をみつけた。
足を引きずり、ながら奥行きのない洞窟に入る。
奥にあるあれはナニ?
洞窟の奥には鉄でできた石像みたいななにかがあった。
洞窟は人がかがんで入れるくらいくらい小さな入口だった、
これなら隠れられるはず、でも走っている途中でカバンを落とした……
大事な食料もない、外は魔物だらけ、
一体どうしたらいいの...
追い詰めるかのように魔物が増えていく、アルシアは怯える、そして後悔する
こんなことになるんなら最初から、後悔してもし切れない、誰も助けに来ない、ひとりで生きてきて泣いた事も無かった私が泣いている、まるで別人みたい
ふと言ったことがない言葉がでた……
【誰か助けて】、と
地響きが一段と大きくなった。
お母さん、お父さん……私死にたくないよ。
地響きがより大きくなってゆく、
アルシアは怯えながらも不思議に思った。
外からじゃない?洞窟から……?
石像が振動している?
アルシアは石像に近寄ると、無機質な声がした。
???
起ド 条ゲン【タ#!)を本め。コエヲ検知⠀
ササイきドウ
カンリョウ 音声システム 認識領域拡大
完了 火器管制装置 一部ヲ除キ現時点
デノ修復不可能 対処法 検討中
システム総括Ai ノア起動カイシ
何を言っているのか分からない、
でもなぜか安心感がある、ここにいれば助かるそんな感じが……
プロトコル ワン
ヒトノホゴ