6「武闘祭I」
2月17日と言っていたな、あれは嘘だ。
ただ書くのが楽しくて早く描き終わっただけです。
、、、許して
6「武闘祭Ⅰ」
「ブトウサイ?!…………なにそれ」
商会長と別れ、それ以降を何も考えていなかった俺はどうやってクルシュ陣営に入るか考えていた。なので、とりあえず街を探索していると武闘祭なるものが開催されるようなので人が騒いでいたようだ。
というわけで情報収集と洒落込もう。
中規模の市場を見つけ、そこの野菜売り場のおっちゃんがいた。
「おっちゃん、実は俺最近この街に来たんだけどさ。武闘祭について教えてくれないか」
「なんだ、にいちゃん旅人かなにかか?」
「ちょっと違うんだが、まぁ似たようなもんだ」
「ここはいい街だ、クルシュ様が治安改正の法案と関税と場所代の軽減をしてくれたおかげで人もたくさん来て商売も活気付くってもんだ。 それと武闘祭についてだったな、さすがに何も買わない奴には言えないなー……」
ここも商人の豪胆さがある。本当に商人とは本気で敵対してもいいことは絶対にないと、この世界に来てから確信してきた。
「わかったよ、おっちゃんリンガを二つくれ。」
「まいど、にいちゃん気前がいいね。それと武闘祭についてだが、お察しの通り主催者はクルシュ・カルステン公爵だ。それとルールはタイマンのトーナメント制で勝ったやつはカルステン家で私兵長になるとかないとか。ただ近々大きな戦いをするから強者を探しているのは確かだ。」
なるほど、多分戦いとは白鯨の討伐だろう。おそらくこれは俺の知っている世界線でもやっていたのだろう。だが結果を見るにそこまでの強者は見つからず、そのまま白鯨戦へと赴いた。
「その情報は正しいのかおっちゃん?」
「せっかく買ってくれたお客さんを騙すほど落ちぶれちゃーいないよ。それにこれはカルステン家の使用人の人から聞いた話だ。信用できる情報筋だぜ。」
嘘は付いていないように見えた。
「そうなんだな、それは悪かった。」
買ったリンガを頬張りながら謝った。シャリっとしていて、
「おっちゃん、このリンガ美味しいな!もう一個余分にくれ。」
「いい食いっぷりだな。お詫びの最後に教えてやるよ。
……もっと確実な情報が欲しいんだったらこの街道に沿って北に進めばクルシュ様の屋敷がある、そこに大会の概要が全て載ってるよ。」
え!
「は!おい、さっきまでの話し方だと大会の詳細はわかんないみたいだったじゃないか!」
「誰がわかんないと言った?お前が俺から教えて欲しいって言ったから教えてやってんだ。クルシュ様の屋敷がわかんなかったからってそれはないぜにいちゃん。俺はただその載っている詳細を言っただけなんだからな。はっはっはー!」
騙しやがったなこのクソジジイ。いや、確かに場所知らなかった俺が悪いけど、それはないだろーおい。
そして俺は何も言い返せずに北へ向かった。
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「『武闘祭概要』
その1、武器の持ち込みは自由。だが魔道具の持ち込みは禁ずる。
その2、大会は二日にかけて行われる。一日目は予選による十人対戦。闘技台の上にいるのが一人になるまで続けるものとする。また、残り人数が八人になるまで上記は永続とする。
その3、殺しは禁ずる。破った場合、即死刑に処す。だが、死ぬ者を出さぬために最高級の治癒師が常駐している。
その4、大会二日目は一対一の勝負にし、ルールはその2と同じとする。
その5、決勝戦に進んだ者の二人はその時点で武闘祭突破とし、決勝戦を行ったあと当家に所属するための『最終試験』を共に一人ずつに受けてもらうものとする。また、共に試験を突破した場合、優勝者の下に準優勝者が部下になるものとする。
その6、『大いに励み、全力を尽くせ』」
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「あのおっちゃん、嘘はついてないし、これに載っていないことも言っていたが、……やっぱり納得できない」
俺は概要を見た後、唖然としながら宿屋に向かいめちゃくちゃ考えながら寝込むのであった。
大会まであと3日