第三話:「魔導書」
半年たった。
やっとうまく歩けるようになった。
これで俺は自由だ!
魔法覚えるぞ!
こんな感じで張り切ってはいたが、
クリフとアレイナが心配性だからあまり歩き回れない。
ただ、二人が出かけている問は今の俺のようにこっそり家の中を歩いている。
そして思ったんだが、
この家はマジで広い。
家は三階建てで、寝室が各階1室合計3室もあった。
なんでそんなに寝室いるの?
トイレも各階1個合計3個。
なんでそんなにトイレいるの?
そんなにトイレが近いの?
各階にないと間に合わない感じ?
俺あの二人の子供だけど頻尿遺伝子ついでないよね?
つぎたくないなー。
そんなことよりも、さっきも言ったようにこの家はでかい。
家の中から外を見渡す限り、
この家が建っている場所は広い平野の中にある集落の家の一つだ。
まさに田舎だ。
こんな田舎に貴族のぼんぼんがいるわけないし、
俺の家は社会ではどんな立場にあるんだろうか。
「ガチャ」
どうやらクリフとアレイナが帰ってきたらし。
俺は急いでクリフたちが買ってきてくれたベビーベッドに戻った。
「ただいまー!ワンダーはいい子にしてたか?」
「だぁ!」
両親に俺が転生者だとばれてはいけないので、
あからさまな赤ちゃん言葉で適当に反応しておく。
「本当にワンダーは可愛いわね~。」
ありがとうございます。
母親とはいえ、若い美人なお姉さんにそんなこと
言ってもらえるなんて嬉しいな。
ある日、また両親がどこかに出かけて行った。
なので俺はまた家の中を探検しに行くことにした。
ずっと気になっていたのだが、
父の書斎の中に魔導書みたいなヤツはないのだろうか。
では書斎に行ってみよう!
はぁ、はぁ。
歩けるようになったとはいえ、
体力がないから少し移動するだけでも息切れしてしまう。
赤ちゃんは大変だな。
10分ほどかかって父の書籍についた。
そこには大量の本が本棚に置いてあった。
五千冊以上は余裕であるだろう。
まぁまぁ広い部屋のすべての壁に本棚が置いてあり、
真ん中には事務机のようなものがあった。
この部屋にある本の総額はとんでもないことになりそうだな。
この中から魔導書を探すのか。
気が重くなるな。
そうして、俺は魔導書を求めて書斎の本棚を徹底的に探した。
本棚の七割りほどを見たところで、俺はこんな題名の本を見つけた。
「マジール四大魔法~基礎から上級魔法まで~」
おぉぉぉ!
これが本物の魔導書か!
ゲームやラノベでは見たことはあるが、本物を見るとやっぱり興奮するな!
すんごいカッコイイ!
魔導書は紫色の表紙で、真ん中には複雑な魔法陣の模様が書いてあった。
まさに王道の魔導書ってやつだ。
それでは中を覗いてみよう。
うひぉー!
本の中間ぐらいのページを開けてみたが、
ページいっぱいに魔法のことが書かれていた。
魔法の名前が
「冷却魔法」
なんというか・・・
主婦が覚えたそうな魔法だな。
もうちょっとかっこいい魔法ないのかな?
本の最初のほうのページを見てみよう。
お!
これはいいんじゃないか?
魔法の名前は
「下級火炎魔法」
まぁこれは定番中の定番だな。
最初の魔法はこれにしとくか。
めっちゃ楽しみだな!
それでは魔導書どうりに魔法をやってみよう。
まず、頭の中で魔法をイメージする。
そして、利き手に力を込める。
「・・・・・・」
何も起きない。
なぜだ。
魔法の発動は非常に簡単なんだが。
なぜだ。
そこで、俺はこんな文章を見つけた。
「下級魔法は一番早くて2歳で習得することができる。」
おい。
まじかよ。
こんな設定あったのかよ。
俺の楽しみが一気に潰された。
また半年待つのかよ。
もういい加減魔法習得させてくれよ。
この後、俺はクリフとアレイナが帰ってくるまで書斎で一人うずくまっていた。
こんにちは、もしくはこんばんは。
はるてぃーです。
前回の投稿から諸事情があり少し時間が経ってしまいました。
楽しみに待ってくれた方がいたら、申し訳ございません。
少し話題を変えますが、気付いたら累計ユニークユーザー数が80人ぐらいになっていて驚きました。
ただ、いまだにブックマークはゼロなので、もしこの話が「面白い」や、「続きを読みたい」と思っていただけたら、ブックマークと高評価、知り合いにこの話を広めてもらえると嬉しいです。
そして、今日作品名を少し変えさせてもらいました。
ユニークユーザーの方はわかりずらいかもしれませんが、今後はこれでやっていくのでよろしくお願いします。
それでは、また来週、もしくは今週末に会いましょう!ばいばい!