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勇者学園の弱者  作者: 抹茶
弱者の本当の姿
9/15

9話・魔王プラチナウェル

凍てついた学長の声が学長室に響いたのだった―


―――――――――――


「これは?」


アネリアが学長に近づいて、

自分より背の高い学長を上目で見て、

少し睨んだ。


「アリマテ…?か。何故だ?

 どうして。まさか、君たちが?」


動揺しているフリをした、学長がそう言った。


「僕たちはしてないよ。こんな事。

 さっきから学長の様子もおかしかった。

 その原因がアナタにあるんではないかと

 思ってね。だから、この部屋に入った

 そうしたらこうなってた。そういう事だ」


クライムがポケットに手を入れ、

アネリアを庇う様に学長とアネリアの間に入った。


「はぁ…そう、か」


学長がため息をついた。


そのすぐ後に、窓が大きな音を立てて割れた。

その破片はアネリア達に跳ね、

アネリア達に小さな傷をつけた。


「魔王プラチナウェル」


その黄金の様に輝く長い髪を、サッと払って登場したのは魔王と名乗った、美形の長身の男であった。身に纏う覇気は尋常ではなかった。


プラチナウェルが剣を上空で円を描くように、振るった直後、床に激震が走る。亀裂を生み出し、強風が吹く。それに伴い、チーム『月闇』は魔王に

床に叩きつけられた。


「なっ…ッ!!!」


カッと目を見開いて、エリーナは自分の剣を鞘から取り出し、戦闘できるように構えた。

だが、プラチナウェルに一撃入れようとした瞬間、プラチナウェルが指と指を擦って、音を鳴らした瞬間、『月闇』一同は、窓から瞬速で、外に放り投げる。


「んっ…くっ…っ」


エリーナは額から流れる血に気づいた。

外は、学長室から程遠い、

学園庭の物置の中にエリーナ達はいた。

その5人のぶつかる衝撃に耐えきれず、物置のドアは外れて、歪み、遠くにそのドアがあった。


「魔王プラチナウェルに、学長室の所の窓に

 向けて私達は攻撃された。その威力のせいで

 学園庭よりも向こうの、物置の倉庫に私達は

 ぶつかり、ドアを破壊して、中にいると…」


詳しく状況を把握したエリーナ。

エリーナ以外皆気絶している。エリーナはその認識だ。だが、アネリアは気絶したフリをした。

この衝撃に弱者が耐えなどできないから。

弱者を演じているアネリアにとって、やるべき演技だったのだ。竜人のアネリアにとって―


「魔王プラチナウェルッッッ!

 今ッ!打ち滅ぼす!」


そう決意した、エリーナは学長室まで学園の屋根を瞬足で走り、向かおうとした、直後、学長室からやってきたプラチナウェルと戦闘となる。


「なぜここに!学長室にいたお前が! 

 なぜ!」


学園の屋根で相対した2人は、睨み合っている。

エリーナは怒声を上げる。

その瞬間エリーナがプラチナウェルの背後の足元に移動する。そこから剣で足を切る作戦。

それは失敗に終わった。


「今は、今は、今だけは、

 貴様を殺そうとはしない」


プラチナウェルの重圧的で、落ち着いた声がエリーナの耳元で囁かれた。


「何をっ!アッ………」


プラチナウェルはエリーナの脳に干渉して、

眠らせた。膝から崩れ落ち、屋根の上でうつ伏せに眠ったエリーナを、プラチナウェルは、蹴飛ばして、学園庭に落とす。


――――――――――


「見事です。プラチナウェル様」


拍手をしながら現れたのは、グオンザ学長だ。


「貴様は……あぁ、命令に順従だね。

 これからも尽くせ。我らのために」


「もったいなきお言葉です」


グオンザは深く頭を下げる。


「これからも続行しろ」


「はい」


プラチナウェルの指示に従いながら動くグオンザを見つめて、プラチナウェルは遥か遠く、

支配地「リオガチオ」に向かった。


「プラチナウェル様、余が必ず…」


グオンザはそう言い、拳を壁に叩きつけた。


――――――――――


その光景を見たアネリアはゾッとした。何せ、

あの学長は、魔王プラチナウェルの配下、

魔王の配下だったのだから…―


「これは、誰かに伝えないと。でも、

 誰に?なんて言う?どうしてそれを知ったと

 言えば?どうすれば、どうすれば…」


アネリアの1人物置の倉庫で頭を抱えた。








次話も見にきてくれると嬉しいです。

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