6話・チーム『月闇』vs魔女アイズピスト
「さあ、殺し合いの時間ですわ」
毒針を持った、アイズピストは狂人のように笑った。
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「デス・フレア・レクイエム」
巨大な炎を作り出し、フーアは詠唱した。
その炎を一直線に、音速の勢いでアイズピストに向かう。
「無意味ですわ」
毒針で、炎を刻み、炎がスッと消えていった。
「よそ見すんな」
「こっちだから!」
カイビスとアネリアの声が同時に響く。
カイビスはアイズピストの背後を斬り、
アネリアは氷の刃を10数本作って、その氷の刃をアイズピストに放り投げた。
だが、カイビスがアイズピストの背後を斬った後、
視界が暗くなった。
「なっっ…」
一瞬の隙を見せたカイビスは右足をアイズピストに掴まれ、学園の壁に、強く投げられた。
カイビスが投げられた壁は大きく歪み、亀裂を生んだ。
「何をしてっ!」
フーアは炎の魔法陣をアイズピストのすぐ上の上空に作り出し、そこから炎の雨を降らせた。
その後にうまく連携を取り、氷で結界を張った縄を生み出した、アネリアがアイズピストを拘束した。
「遅くなって、ごめんなさいね」
エリーナの声が響いた途端、
エリーナが上から下へ、剣を振った途端、
アイズピストの額が赤い肉を見せて割れる。
「敵には見えない、斬撃、それでいて、
味方には見えている。素晴らしいと思わない?」
エリーナが頰に手を当て、アイズピストに、
問う。
「アナタ達、いい加減にぃぃ!!」
アイズピストが叫んだ。直後、氷の縄を手で乱暴に引きちぎり、空に飛んで、毒針を魔法陣に刺して、魔法陣がシュッと消える。
「デス・ファイヤー」
フーアがアイズピストに炎の攻撃を連続して放つ。
「遅れてすまなかった」
クライムが異形の形をした、斧を持ちアイズピストの背後に回り込み、斧を振るった。
「この斧に見覚えはあるかな」
クライムがそう言った途端、アイズピストは目を見開いて、目から血を流す。
「それはかつての英雄が持っていた…
まさか…お前はぁ!あの時の、でも、
でも!それは800年前の出来事……
なら、なら、何故ぇぇ!」
アイズピストは目から血を大量に流す。
「そこまでだ」
そうクライムが言った後、アイズピストの背後に回り込み、耳元で、アイズピストにしか聞こえないような声で、
「余計な事は話さないでね」
斧を上から下へアイズピストの頭をめがけて、振るった。
「お前はぁぁぁ!!…………」
頭が縦に半分に割れ、脳みそを溢し、
目も当てられないような、場所になっていった。
クライムは返り血で濡れた、顔を袖で拭った。
クライムは上空に斧を投げた
そこに投げた先の時空に歪みが生まれ、
歪みの部分が、そこだけの黒く染まった所に、
斧が吸い寄せられた。そして斧が吸い寄せられた後、斧と時空の歪みが空から消えた。
「クライム、武器は?」
アネリアがクライムの背後に声をかける。
「あの斧は大きいからね、必要な時に、
僕の上の上空から、落ちてくるんだよ。
だから、必要じゃない時はしまわないとね」
「ふーん、そうなんだ」
アネリアはそう答えつつも周囲を見まわしていた。アイズピストに、竜人族というのを言われてしまい、周囲にバレた時の危険性を感じたのだ。
だが、周囲はアネリアを見ていない。
「なんで魔女がここに?
アイズピストはかつての英雄と、勇者に
より滅ぼされ、その残骸は今も、
封印されているなんて話じゃなかったかしら?」
エリーナが頰に手を当てて、疑問を口にする。
「復活した、とは考えづらい」
カイビスが意見を述べる。
「なんで復活してないって、そう思うの」
アネリアがカイビスにそう問うと、
「あの、残した残骸だけで、
復活なんてできない」
カイビスではなく、クライムがそういうと、
「残した、残骸の量なんて、わかるか?
普通」
カイビスが斜め後ろにいるクライムを見ながら言うと、
「残した残骸はそこまで多くはないはずなんだ。
復活を危惧するなら、尚更ね。
だから、僕はそう思っただけだ」
「そっ」
クライムの返事に、疑念の余地もありつつ、
カイビスはその答えの可能性が高いと、クライムの言葉を信じた。
「魔物たち、殺す?」
フーアがエリーナに質問すると、
「いいわ、あとは…
学園に任せましょう。私達が魔女と
戦っているのにも関わらず、何もしないで、
座っている人もいるんですもの。
私達は先ほどのアイズピストに
魔力を消費していますから」
エリーナがそう言った後、
「なら、フーアは学長を探す」
フーアが学園の校舎内に入ろうとした。
「なら、俺も行くぜ」
カイビスがそう言うと、
「私もいく!!」
アネリアがそう言ったので、エリーナとクライムも、フーアの後に続いた。
初めての、チーム『月闇』全員でのバトルでした!
アイズピストは復活したのか?それとも……
次話も投稿するので良ければ見に来てください!
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